Twitterでは2020年8月にアカウントラベルを拡大し、1)主要な政府関係者のアカウント、2) 国家当局に関係したメディア、の2つのカテゴリーを追加し、このルールをまず、国連の安全保障理事会の常任理事国5か国のアカウントに適用した。

この最初のアクションについて、市民団体や学識者、Twitterのサービス利用者など幅広い関係者からのフィードバックを受け、2月17日より、このアカウントラベルをG7参加7か国およびTwitterが国家による情報操作と関連づけられるほとんどの国まで拡大すると発表した。

なお、このルールは、これらの国を代表する個人のアカウントにも適用されるとのことだ。

Twitterは人々が今、世界で何が起こっているのかを目にして、自国の政府や政府高官の考えを知ることができる場所。

同社は、安全と表現の自由とは密接に結びついていると考え、特に国家の代表者や関連機関とやり取りする際には、Twitter上で人々が目にしているものに背景情報を追加することで、人々のより多くの情報に基づく体験に役立つと考えているという。

同措置は以下のフェーズに分けて適用されている。

  • フェーズ1  対象国(2020年8月適用)
    • 中国、フランス、ロシア、英国、米国
  • フェーズ2  対象国 (2021年2月17日適用)
    • カナダ、キューバ、エクアドル、エジプト、ドイツ、ホンデュラス、インドネシア、イラン、イタリア、日本、サウジアラビア、セルビア、スペイン、タイ、トルコ、UAE

ラベルは以下のTwitterアカウントを対象として追加される。

  • 外務大臣、国家機関、大使、政府報道官、主要な外交指導者を含む政府要人の認証済みアカウント。現時点での焦点は、海外で国家の世論を表明する政府高官や関連機関に宛てられているとのことだ。
  • フェーズ1および2に含まれる国の国家代表者の個人アカウント

さらに、ラベルに追加されるテキストについても、個人と機関とを区別して政府アカウントのラベルをより具体的に表示し、国家代表者の個人アカウントのラベルを拡大してTwitter上で追加の背景情報を表示。

この取り組みの次の段階として、Twitterでは今後数か月かけて国家当局関係メディアのアカウントについても追加ラベルの適用を進め、関連するすべてのアカウントが確実に把握できるよう作業を繰り返していくとしている。

Twitterの同アプローチにおける基本理念

Twitterは、オープンな会話に貢献することを使命としており、そのためにはTwitter上で何を見て、どのような関わり方をするのか、十分な情報に基づいて判断できるよう、人々に背景情報を提供することが大きな意味を持つという。

Twitterは他にはないやり方で官僚や政府代表者とつながり、直接会話する機会を提供しているとのことだ。

新たなアカウントラベルにおける政府アカウントの定義

Twitterがフォーカスしているのは、国外に向けて国家の見解を表明する政府高官、国家代表者および機関であり、具体的には前述に示したアカウントカテゴリー。

同社はこれが重要な措置だと確信しており、人々が別の国の地政学的な問題を話し合う際に、国家との関連性に関する背景情報や、そのアカウントがどの国を代表しているのか、より多くの情報を得ることができるという。

また、同社は、国家代表者下にあり海外に政策的視点を提供するそれぞれの政権内の人々にも焦点を当てているとのことだ。

なお、一般の人たちにさらに多くのコンテキストを提供するために、ラベルをクリックすると、ヘルプセンターで説明されているポリシーやTwitterの透明性に関するレポートにリンクして関連情報を提供できるようになっている。

通知および申立てのプロセス

Twitterではラベルを添付する際には対象のアカウントに通知を行い、アカウントの所有者はそれについてTwitterに直接意見が可能となる。

今後の展開について

次のステップとして、フェーズ2対象国の国家当局関係メディアに対するラベルの適用を実施。

さらにその後、Twitterでは随時、対象国を拡大して行く予定で、この計画が実行に移される際には改めて最新情報を伝えるとしている。