ソフトバンクの子会社であるSBペイメントサービスは、ECサイト(物販、デジタルコンテンツ)における決済手段の利用実態に関するアンケート調査を実施し、その結果を発表した。

ECサイトでのクレジットカード決済の利用割合が減少 ID決済の利用割合が増加

ECサイトで物品を購入する際、よく利用する決済手段について尋ねたところ、1位が「クレジットカード決済」で78.5%、2位が「PayPay(オンライン決済)」で17.5%、3位が「コンビニ決済」で16.9%という結果になった。

また、デジタルコンテンツを購入する際、よく利用する決済手段について尋ねたところ、1位が「クレジットカード決済」で75.4%、2位が「キャリア決済」で16.9%、3位が「コンビニ決済」で13.3%、次いで「PayPay(オンライン決済)」で12.5%という結果に。

2018年に同様の調査を行った結果と比較したところ、物品・デジタルコンテンツどちらの購入時においても、「クレジットカード決済」の割合が減少し、「PayPay(オンライン決済)」「楽天ペイ(オンライン決済)」「LINE Pay」といった、オンラインでもリアルでも利用できるID決済の割合の増加が目立った。

一方、「キャリア決済」の割合はほぼ変化なく、一定の根強いニーズがあることが分かる。

コンビニ決済、キャリア決済、オンライン決済などの決済手段を導入する重要性が高まっている

ECサイトで物品を購入する際、最も利用する決済手段について尋ねたところ、男女共に「クレジットカード決済」を最も利用すると回答し、次いで「コンビニ決済」という結果となった。

年代別で比較すると、10代においては「クレジットカード決済」の割合は40%以下に留まり、その分「コンビニ決済」「キャリア決済」「PayPay(オンライン決済)」「代金引換」の合計が45%以上と非常に高いことがわかったという。

男性20代、30代においても、「コンビニ決済」「キャリア決済」「PayPay(オンライン決済)」「代金引換」の合計が20%を超え、事業者が多様な決済手段を導入する重要性が高まっているという。

一方、デジタルコンテンツを購入する際、最も利用する決済手段について尋ねたところ、男女共に「クレジットカード決済」を最も利用すると回答し、次いで「キャリア決済」という結果に。

年代別で比較すると、10代男性においては「クレジットカード決済」の割合が31.3%と顕著に低く、10代男女と20代男性においては「キャリア決済」「コンビニ決済」「PayPay(オンライン決済)」「口座振替」の合計が20%以上と高いことが明らかとなった。

また、30代、40代女性においては同年代男性と比べて「PayPay(オンライン決済)」の利用意向が高いことが特徴として見られました。

ECサイトでの物品購入時に決済手段は特徴により使い分ける傾向に

ECサイトで物品を購入する際、最も利用する決済手段のその理由を尋ねたという。

クレジットカード決済は「購入金額が高い場合、クレジットが一番便利」、コンビニ決済は「クレジット情報を入力することに抵抗があるし、代引きだと手数料がかかる」、キャリア決済は「携帯代と一緒に払えて便利」、PayPay(オンライン決済)は「楽だし使える所が多い」、代金引換は「商品の受け渡しと同時に払うから安心する」などといった、それぞれの決済手段の特長をとらえた理由で選ばれていることがわかった。

一方、デジタルコンテンツを購入する際、最も利用する決済手段のその理由を尋ねました。クレジットカード決済は「事前にお金をチャージしなくても残高気にせず使える」、キャリア決済は「支払い管理ができて、確実に支払いが出来る」、コンビニ決済は「クレジットと出費を別にしたい」、PayPay(オンライン決済)は「簡単でメジャー」、口座振替は「毎月の引き落としの方が便利」というように、迅速に決済できたり支払い管理がしやすい点が重視され、選ばれていることが分かった。

最も利用する決済手段でオンライン決済や口座振替が新たに台頭

2018年に最も利用する決済手段の調査を行った結果と比較したところ、物販サイトでは、男女ともに「クレジットカード決済」の割合が減少し、「後払い」の代わりに「PayPay(オンライン決済)」が台頭した。

デジタルコンテンツサイトでは、男女ともに「コンビニ決済」の割合が減少し、さらに「プリペイド決済」「銀行振込」に代わり「PayPay(オンライン決済)」「口座振替」が選ばれていることが分かる。

よく利用する決済手段がない場合、57.1%以上が購入せず離脱

ECサイトで物品・デジタルコンテンツを購入する際、よく利用する決済手段がない場合どうするか尋ねたところ、物販サイトでは男女ともに60%以上の人が、デジタルコンテンツサイトでは男性約70%、女性約60%の方がそのECサイトでは購入せず離脱することが分かった。

これらの結果から、ユーザーの求める決済手段をECサイトに導入するのは、商品・サービスの購入を検討するユーザーの背中を押す、最後の一手と言えるとのことだ。

コロナ禍において、ECサイトでの購入頻度は全世代で「増えた」が「減った」の割合を上回る

2019年と比べてECサイトでの購入頻度に変化はあったか尋ねたところ、物販サイトでは10代男女の約60%が「増えた」と回答し、他年代でも「減った」という回答に対して2.7 倍以上の割合の人が「増えた」と回答しました。デジタルコンテンツサイトでも、10代女性の50.8%、「減った」という回答に対して11倍以上の方が「増えた」と回答し、他年代でも「減った」という回答に対して2倍以上の割合の方が「増えた」と回答。

2020年は新型コロナウイルス感染症の影響で、外出自粛によりオンラインショッピングがこれまでより多く活用されていると見られる。

<調査概要>

調査名:ECサイトで物品・デジタルコンテンツを購入する際の決済手段に関する調査
調査方法:インターネットリサーチ
調査地域:全国
調査期間:2020年12月21~28日
調査対象:1年以内に物販サイトで何らかの商品を購入した10~80代の男女2,533人
1年以内にデジタルコンテンツを購入した10~80代の男女2,335人
調査元:SBペイメントサービス

<参照元>
SBペイメントサービス『2020年のECサイトにおける決済手段の利用実態調査結果を公開