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2020年は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が世界中で猛威を振るい、テレワークやオンライン会議など「新しい生活様式」が普及した。後に人類史に残るほどの1年だったと言っても良いかもしれない。
世の中が大きく変わった1年に、人工知能(AI)などのテクノロジーはどのようにわれわれの生活を支えたのか? また、暗い世の中のニュースをほんのつかの間でも忘れられるような、憩いを与えられたのか?
この記事では、2020年にAIメディアLedge.aiで読まれた記事をランキング形式で発表する。
- 1位:新型コロナ感染事例のある場所を地図で確認できるアプリ、クラスター早期発見に
- 2位:AIでディズニーのキャラを実写化! リアルなので見てほしい
- 3位:一律10万円の特別定額給付金、職員による支給業務を自動化するAIを無償提供
- 4位:Pythonより20%高速な「Pyston v2」現役エンジニアたちの本音「いや、ちょっとどうしようかな……」
- 5位:写真のモザイクを除去して“ほぼ”復元させるAIが登場
- 6位:スパコンで20億年以上かかる計算をたった3分強に、中国が量子コンピュータで
- 7位:AIで人間の顔をディズニー風に変換できる無料サイトが復活!
- 8位:AI企業が考察するGoogle翻訳超え機械翻訳「DeepL」のスゴさ
- 9位:東芝、数日かかっていた精査時間をAIでわずか1日に短縮 専門家は「『これは上手い!』と思った」
- 10位:プログラミング不要のAI開発ツール登場、マウスで操作するだけ
1位:新型コロナ感染事例のある場所を地図で確認できるアプリ、クラスター早期発見に
株式会社JX通信社は2020年4月2日、新型コロナウイルス感染者の利用等の事例が公表された場所の情報を地図上でピンポイントで確認できる「感染事例が報告された場所の情報」マップの提供を開始した。
このマップは、同社が提供するスマートフォン向け速報ニュースアプリ「NewsDigest」内の特設ページに掲載している(価格は無料)。
2位:AIでディズニーのキャラを実写化! リアルなので見てほしい
今回はAIを活用し、『美女と野獣』や『アナと雪の女王』などに登場する、ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオの有名キャラクターたちを実写化するプロジェクト「In real life」をご紹介したい。本プロジェクトは「toyboyfan(トイボーイファン)」というInstagramアカウントが投稿し、海外で話題を呼んでいるものだ。
日本でも254.7億円の大ヒットを記録した『アナと雪の女王』からは、エルサ、アナ、クリストフ、ハンス王子が実写化されている。残念ながら、陽気な雪だるまのオラフの姿はないものの、個人的にはクリストフの少しとぼけたような表情が見事だと感じる。
3位:一律10万円の特別定額給付金、職員による支給業務を自動化するAIを無償提供
株式会社NTTデータは2020年5月1日、「特別定額給付金」支給業務をする地方公共団体向けに、紙資料をデジタルデータ化するAI-OCRサービス、RPAソリューション、RPAソリューションのeラーニングを無償提供すると発表した。
※無償提供期間はすでに終了しています。
NTTデータが無償提供するソリューションを利用すれば、地方公共団体職員は、導入作業をするだけで給付金支給業務の自動化が可能になる。
4位:Pythonより20%高速な「Pyston v2」現役エンジニアたちの本音「いや、ちょっとどうしようかな……」
Pystonは現地時間10月28日、公式ブログにおいて、純正の「Python 3.8」よりも20%速くなるとうたう「Pyston v2」を公表した。サーバーコストを削減することで、ユーザーの待ち時間を減らし、開発者の生産性を向上させられるという。
Ledge.ai編集部がこのニュースを報じたところ、SNS上では「気になる!」「面白そう!」「純正より速くなるの?」「Pyston知らなかった……」など、さまざまなコメントが寄せられた。
そこで、今回はPyston v2について、Ledge.aiを運営する株式会社レッジのデータサイエンティストとエンジニアに「実際に使ってみたいのか?」本音を聞いてみた。プロのなかでもさまざまな見方や考え方があるため、1つの参考として見ていただけると幸いである。
5位:写真のモザイクを除去して“ほぼ”復元させるAIが登場
モザイクは元々室内装飾の手法として考案され、古代から続く装飾方法のひとつだ。しかし、世の中でモザイクといえばモザイク処理の方が有名だろう。個人情報保護や規制のために、画像や動画などの該当部分をピクセル単位で改変するモザイク処理が実施される。
モザイク処理には可逆変換と非可逆変換がある。可逆変換は縦横に分割した画像をランダムに並べ替えるだけなので、正しい位置に並べ替えれば元の画像になる。世の中で主に使われているのは非可逆変換で、一定領域の色から代表値をとって塗りつぶすなどの手法がとられる。元のデータをランダムに加工しているため、こちらは元に戻せない。
6位:スパコンで20億年以上かかる計算をたった3分強に、中国が量子コンピュータで
中国科学技術大学の潘建偉(パン・ジャンウェイ/Pan Jianwei)氏らが率いる研究チームは、量子コンピュータの試作品「九章(ヂォウジャン/Jiuzhang)」により、従来のスーパーコンピュータの能力を超える「量子超越性」を実現した。2020年12月3日にアメリカの科学雑誌『サイエンス』に同情報が掲載された。
スーパーコンピュータのランキング「TOP500」2020年11月版において、4位に位置する中国のスーパーコンピュータ「神威・太湖之光(しんい・たいこのひかり/Sunway TaihuLight)」では20億年以上、首位を獲得している日本の理化学研究所によるスーパーコンピュータ「富岳(ふがく)」では6億年かかる計算を、「九章」ではたった3分強で実現するという。
7位:AIで人間の顔をディズニー風に変換できる無料サイトが復活!
写真に写る人物をあっという間に、ディズニー顔に変換できる無料のウェブサイト「Toonify Yourself!」をご存じだろうか。同サイトは日本のSNSなどで話題になったものの、人気すぎてサイトが一時はクラッシュ。現在はユーザーの寄付による支援で復活を果たした。
「Toonify Yourself!」を使うと、『シザーハンズ』や『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズなどで有名なジョニー・デップさん、『タイタニック』や『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』などで知られるレオナルド・ディカプリオさんの顔がディズニー風になる。
8位:AI企業が考察するGoogle翻訳超え機械翻訳「DeepL」のスゴさ
2020年3月頃からSNSで話題なのが、「Google翻訳」超えの機械翻訳「DeepL」だ。話し言葉はもちろんのこと、難解な方言も自然に翻訳する。
今回は、Ledge.ai編集部で自然言語処理に強みを持つストックマーク社のエンジニアにヒアリングし、DeepLは何がスゴイのか?を考察した。
9位:東芝、数日かかっていた精査時間をAIでわずか1日に短縮 専門家は「『これは上手い!』と思った」
株式会社東芝および大学共同利用機関 法人 情報・システム研究機構 統計数理研究所は2020年12月10日、半導体工場など製造現場の不良原因解析AI(人工知能)において、現場技術者の知見の反映を可能にすることなどで、従来数日かかっていた解析結果の精査時間をわずか1日に短縮できるAI「Transfer Least absolute shrinkage and selection operator(Transfer Lasso)」を共同開発したと発表。
製品の品質低下は生産コストに直接影響するため、製造現場においては、製品の品質を監視し、品質低下がみられる製品の検出、原因の特定、対策の実行を素早く実施する必要がある。
10位:プログラミング不要のAI開発ツール登場、マウスで操作するだけ
プログラマーもいない。データサイエンティストもいない。そもそも開発未経験だ。そんな組織でも、ボタン操作だけで独自の物体検知AIシステムを構築できるサービスがはじまった。
株式会社ヒューマノーム研究所は2020年2月18日、「Humanome Eyes Workstation(ヒューマノーム・アイズ・ワークステーション)」の販売開始を発表した。ヒューマノーム・アイズ・ワークステーションは、プログラムを1行も書くことなくボタン操作で開発可能なプラットフォームだ。
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