井上寅雄農園は新規就農者がプロ農家から農業を教わることができるサイト「アグティー」の を起案し、開発を進めてきたパスカルでサービス提供を開始したことを発表した。

アグティ―では、新規就農者で悩みを持っている人を「相談者」、プロ農家を「アドバイザー」と呼び、それぞれアグティ―に事前に登録。

相談者は、アドバイザーのプロフィール等を確認した上で、アドバイザーを指名して質問する。質問に対し、アドバイザーがチャットやビデオ通話を使って指導し相談者の悩みを解決するサービスとなっている。

農林水産省のデータによると新規就農者は平成22年から平成30年で、安定して毎年5万人で増加している。

しかし、総務省発表の「農業労働力の確保に関する行政評価・監視-新規就農の促進対策を中心として-」によると新規就農者の35%が4年目までに離農している計算になるという。

この資料の中で新規就農者の75.5%が生計が成り立っていないと答えており、その理由として40%が「栽培管理上の課題がある」と回答している。

栽培管理上の課題を農業界初のスキルシェアサービスの「アグティー」で解決することにより、新規就農者の離農を防ぐことができるとのことだ。

また、地元農業に深く根付いている農協の営農指導員は、農業の栽培のことに関して何でも質問ができ、農家さんの信頼が高いといわれている。

しかし平成21年に農林水産省から出された「農協の現状と課題について」によると昭和55年の8,661人を境に減少しており、平成19年には4,323人にまで減少しているという。

全国に販売農家は196万戸いるため、単純計算で農業改良普及員1人あたり245戸の販売農家の指導の必要があルため、そこでこの問題を「アグティー」が解決するという。

さらに、移住して新規就農者として農業を始める場合、多くは地元の特産品を栽培するのが一般的。

しかし、近年では私塾のような農業大学校ができ、誰もが農業を学べる環境ができている。

このため農家によっては作れる品目より、作りたい品目・栽培方法で品目を選ぶ人もいるが、特産品ではない農産物を栽培する場合、栽培技術は誰も教えてくれないという。

農業界初の「アグティー」ならこのような場合でも、全国の農家と繋がることができるので栽培の課題を解決できるとのことだ。