文響社は、文響社が刊行する「うんこドリル」のユーモア・笑いが子どもたちの学習にどのような影響を与えているかを科学的に検証するため、東京大学と共同で実証実験を実施。

その結果、うんこではないドリルで学習した場合と比較して成績の上昇率が約60%高くなり、学力・学習意欲が向上することが実証されたと発表した。

2017年の「うんこドリル」シリーズ発売以来、読者の保護者から「勉強しなかった子どもが興味を持って勉強するようになった」「通常のドリルよりも集中して取り組み、成績が上昇した」などの意見が数多く寄せられたという。

同社は、これらの声を受け、勉強における「うんこ」のユーモア・笑いの要素が、子どもの学力と学習意欲の向上に一定の効果があるのではないかという気づきを得ていたとのことだ。

今回の結果を得て、より一層楽しく、学習に資するドリルを提供していくことで、より多くの子どもの学びに引き続き貢献していくとしている。

実証実験の概要は以下。

まず、小学3年生32名を対象に、「うんこドリル 漢字」とうんこではないドリルを使用して、下記の実験を実施。

  1. 事前テスト(未習漢字の基礎定着を調査):50字
  2. 「うんこドリル」で漢字の学習:25字
  3. うんこではないドリルで漢字の学習:25字
  4. 確認テスト(学習定着度を調査):50字

1・4のテストは同内容とし、2・3で学習する漢字50字がランダムに出題される。2・3の実施順は16名ずつ入れ替え、実験中は教室に定点カメラを設置し、集中力の推移を計測。

同実証実験の結果は以下。

「うんこドリル」で学習した場合の成績の上昇率は、うんこではないドリルで学習した場合と比較して約60%高いという結果に

実験前と実験後に実施したテストの点数を比較。

【読み】
・うんこではないドリルで学習した場合の正答率上昇 5%
・「うんこドリル」で学習した場合の正答率上昇 8%

→「うんこドリル」で学習した場合、正答率の上昇幅が大きく、その効果が認められた。

【書き】
・うんこではないドリルで学習した場合の正答率上昇 8%
・「うんこドリル」で学習した場合の正答率上昇 10%
→正答の絶対数が少なく、大きな差は見出すことはできなかった。

「うんこドリル」で学習した場合の集中力の高さが実証

定点カメラの撮影により、集中力の推移を計測。「うんこドリル」においては全体として体の動きが少なく、早い段階から紙面に集中して取り組んでいると考えられる。

続いて、小学3年生8名を対象に、「うんこドリル 漢字」とうんこではないドリルを使用して、未習漢字の閲覧をそれぞれ10分間ずつ実施し、脳波計を用いて、閲覧時の脳波を測定。

「うんこドリル」を閲覧した場合のベータ波・スローガンマ波が大きく増強

「うんこドリル」を閲覧したときのベータ波が大きく増強していることから、脳が刺激を受け、活発に動いていることが確認できたという。

脳は刺激を受けているときの方が記憶の定着がより図れることから、「うんこドリル」が記憶の定着により効果的であることが確認された。

また、スローガンマ波が増強されていることから、知識や記憶を呼び覚ましていることが確認でき、「うんこドリル」による学習が、学習した内容を呼び出すために効果的であることが確認されたとのことだ。