凸版印刷と、日本モリマーの子会社で、体外診断キットの開発/製造を手掛けるトラストメディカルは、血液や尿、唾液などにより疾病の診断/検査を行う際に使用される体外診断用医薬品の製造を行う新会社「トッパンメディカルファクトリー」を設立。2020年11月より事業を開始すると発表した。
これにより両社のノウハウを融合させ、体外診断用医薬品の開発から製造、医療機関の手元に届くまでをワンストップで提供することが可能になるとのことだ。
医療現場において、病気の診断/治療/早期発見に無くてはならない手段として、さまざまな臨床検査が行われており、全世界で健康寿命延伸への取り組みが加速していることから、今後も加速度的に体外診断用医薬品のニーズは高まっていくと考えられるという。
さらに、新型コロナウイルスの感染拡大により、PCR検査や抗原検査、抗体検査などの感染症検査領域においても注目を集めており、新型コロナウイルスに対応した診断薬の開発が活発化しています。これらを背景に製薬会社から、「診断薬の調剤/充填」「封止/包装/梱包」「保管/出荷」までをスピーディに対応したいという声が高まっているとのことだ。
このような中で凸版印刷の持つ医療・医薬用包材の製造から梱包/発送までのノウハウと、トラストメディカルの持つ製薬会社とのネットワークと検査薬充填/検査キット製造の知見を掛け合わせることで、体外診断用医薬品の製造から医療機関に届くまでをワンストップで提供するべく、新会社設立に至ったとしている。
トッパンメディカルファクトリーの特長は以下。
1. 検査キットの製作、薬の充填、パッケージング、発送までをワンストップで提供可能
トラストメディカルが持つ体外診断薬のキット化/供給実績と、凸版印刷が持つ医薬品向け機能性包材/各種添付文書の製造能力が融合することにより、体外診断用医薬品のキット化/パッケージングを実現。製品開発から出荷までをワンストップで提供可能。
2. 多様なPOCT(臨床現場即時検査)検査キットの開発・製造が可能
体外診断用医薬品の中でも、患者のすぐそばで、迅速に検査結果を判定することが可能なPOCT検査キットは、結果判定までの時間が大幅に短縮することからニーズが高まっている。
同時に、キットがあればすぐに検査が可能になるので、世界的に普及することが見込まれているとのことだ。
これを踏まえ、凸版印刷が持つ検査キットの設計機能と、トラストメディカルが持つイムノクロマトを代表とする試薬の製造能力を融合させ、多様なPOCT検査キットの開発/製造をスピーディに行っていくとしている。
3.高い設備技術による「ものづくり力」
凸版印刷の、自社工場で導入/運用してきた製造システムの企画力/設計力と、トラストメディカルの持つ体外診断用医薬品の生産設備を、トッパンメディカルファクトリーに展開することにより、高品質/高効率なものづくりが可能。
今後の展開として、トッパンメディカルファクトリーは、体外診断用医薬品におけるワンストップソリューションの提案を進め、2025年度に50億円の売上を目指すとしている。