川崎重工は、朝日航洋より最新型ヘリコプター「H145//BK117 D-3」(以下、D-3)を受注したと発表した。

同件は、同社向けのD-3としては初受注となり、ドクターヘリとして運用される予定であるとし、同社のD-3の受注実績としては、5機目であるとのことだ。

D-3は、現行機であるBK117 D-2(以下、D-2)の改良型。

フルフラットフロアを備えた余裕のあるキャビンスペース、多用途性に優れた後部の観音開きカーゴドア、高高度におけるホバリング(空中停止)性能の向上、低騒音化、そして最新のアビオニクス(電子機器)搭載によるパイロットの負荷低減などのD-2の特長を継承しつつ、最新式のメインローター・システム(5枚ブレード・メインローター)などにより、以下のとおり性能を向上させているという。

1.有効搭載重量を約150kg増加

最大全備重量を約100kg増加したほか、機体重量を約50kg軽減したことにより、D-2に比べ有効搭載重量が約150kg増加。

2.整備期間を約50%短縮

点検項目の削減および整備が容易な構造の最新式メインローター・システムの採用により整備期間を短縮。

BK117ヘリコプターは、欧州のエアバス・ヘリコプターズ社と国際共同開発した中型双発機で、救急医療、消防・防災、警察、報道、人員輸送、物資輸送などで活躍している。

1983年の初号機納入以来、機体の改良を重ね優れた技術力と高い信頼性により同社納入分(11月6日現在)で179機、エアバス社納入分を合わせると全世界で1,600機以上の納入を誇るベストセラー機であるとのことだ。

同社は今後とも、BK117ヘリコプターの性能向上および各種用途に合せた装備品を開発するとともに、これまでの納入実績に裏付けられた高い信頼性や、開発・製造・販売・アフターサービスまで全て同社で行えるきめ細やかなサポート体制を活かし、国内外問わず積極的な営業活動を展開していくとしている。