日立製作所(以下、日立)は、読売新聞東京本社および読売巨人軍が、11月7日、8日に東京ドームにおいて開催するプロ野球・読売ジャイアンツ対東京ヤクルトスワローズの公式戦を対象とした、球場内外の新型コロナウイルス感染対策と来場者のプライバシー保護を両立させるための新技術の試験的導入に関する取り組みの一つに参画することを発表した。

日立が今回提供する「人流可視化ソリューション」は、日立独自の人流計測技術と画像処理技術を組み合わせ、既設のカメラ映像から人数や位置、移動速度や移動方向を検知して、人型のアイコン画像を生成・置換して背景画像に表示することで、個人を特定する特徴を排除しプライバシーを保護しながら混雑状況を直感的に把握することを可能とするもの。

今回の実証では、場内に設置する102か所のカメラのうち、10数か所のカメラ映像を対象に、来場者の個人が特定されないよう、人型アイコンで「止まっている人」と「動いている人」を自動認識して色別表示するという。

来場者の滞留状況などの人の流れを見える化し、混雑具合を的確に把握できることで、滞留者が多いエリアの誘導係員を増員するなど、混雑緩和や誘導のための施策検討を支援する。

なお、今回の技術実証の取り組みは、10月23日に内閣官房が主催する新型コロナウイルス感染症対策分科会の承諾を得て、東京都の協力のもと実施されるもの。

東京ドームの来場者の上限を引き上げて検証し、感染対策や集客施策の検討に活用されるという。

また、東京2020 オリンピック・パラリンピック競技大会での屋内来場者の人数制限や感染対策の立案のほか、混雑緩和策、交通誘導策などの検討へも活用される予定としている。