スカパーJSAT、ゼンリン、日本工営は、各社が保有する衛星データや地図データ、氾濫予測情報などを組み合わせ、近年多発する水害や土砂災害、地震、火山などにより発生する災害リスクの予測や減災、被災後の早期復旧にも活用することができる「衛星防災情報サービス」の開発・提供に向け業務提携したと発表した。
同サービスは2021年の提供開始を目標としているという。
スカパーJSATと日本工営は、2019年11月に業務提携しており、衛星データを活用した防災ソリューションを共同で開発し、平時におけるインフラモニタリングによる減災・防災事業を進めてきた。
今回の業務提携により、防災ソリューションとゼンリンが保有する詳細な住宅地図データを組み合わせて解析することで、企業や自治体が管理する敷地や施設における災害リスクや災害発生後の被災状況を、日本全国1,741市区町村全地域において、より高精度に把握することができるようになるという。
なお、個別建物レベルでの状況把握ができるものとしては、国内初のサービスとなるとのことだ。
3社で開発する「衛星防災情報サービス」は、平時には衛星データを活用して土砂斜面や河川堤防、道路などの社会インフラを広域にモニタリングする。
災害リスクを可視化することで防災に繋げていき、さらに災害発生時には衛星データの活用により広域かつ迅速に被害状況を把握し、救難・復旧活動の支援や2次災害の防止に繋げていくとのことだ。
昨今、多発している水害対策として、衛星データによる浸水検知技術に加え、今後は地形データや気象データに基づく氾濫予測技術やSNSによる氾濫推定技術を活用し、速報性を高め、避難活動への活用に資するものを目指していくとしている。
衛星事業・地図情報・建設コンサルタント分野の3社がタッグを組み、近年高まる災害リスクに対して、平時におけるリスク管理から災害時の状況把握までを精密に行える衛星防災情報プラットフォームを構築し、企業や自治体の事業継続計画(BCP)に役立つサービスとして提供していくとのことだ。
また、同サービスは、国内のみならずアジアをはじめとした海外での展開も予定。
災害が多い日本だからこそ、防災領域を成長させていく責務があると考え、同サービスで国連の定めるSDGs(持続可能な開発目標)の17のグローバル目標のうち、「9.産業と技術革新の基盤をつくろう」「11.住み続けられるまちづくりを」「17.パートナーシップで目標を達成しよう」の達成に向けてグローバルに貢献していくとしている。