ロート製薬は、医療法人財団青輝会アオハルクリニックとの共同研究により、目元のクマ症状に関してその分類と年代別の推移を検討したところ、クマとして認識される症状は年代によって変化することがわかったと発表した。

同研究成果を、2020年10月に行われた第25回日本顔学会大会 フォーラム顔学2020(オンライン開催)にて発表。

同社はこの知見を応用し、症状や年齢に応じた目元のケアを提案していくとしている。

クマは目の周り、上下のまぶたやその一部が暗く見える状態。「疲れて見える」「老けてみえる」というように印象年齢を大きく左右し、性別や年代を問わず気になる目周りの悩みの一つとなっているという。

今回、約1,000名の女性の素肌画像を用いてクマ症状の分類を行うとともに、年代ごとの変化について検討を実施し、その結果を発表した。

同研究では、20~60代の日本人女性934例(平均39歳)の素肌画像を用いてクマ症状を分類・評価。

目の下から頬上部、目頭から黒目の外側までを評価範囲とし、3名の評価者が独立して色調等から「血管型」「色素沈着型」「構造型」の有無を判定、3名の評価者が「有」とした症状を「+(クマあり)」として解析した。

クマがあるのは約半数で、最も多いクマは血管型

クマ症状ありと判定されたのは46%。最も多いのは「血管型」で、次いで「構造型」、「色素沈着型」の順となった。

30~40代を境に、血管型と構造型の割合は逆転

「血管型」は20代が最も多く、加齢とともに減少する傾向にあることがわかったという。「構造型」は加齢とともに増える傾向にあり、30代後半~40代前半を境に症状を有する人の割合は逆転。

「色素沈着型」はどの年代にも一定の割合はあるが数としては少なく、年代との相関は認められなかったとのことだ。

同社は、考察として、「血管型」のクマ症状は血液の状態が透けて見えた結果と捉えることができるが、これには目元の皮膚の厚みや透明度が関係していると考えられるとしている。

若い年代は皮膚が薄く、透明度も高いため血液の状態が見えやすいが、加齢によって皮膚の厚みや透明度が変化すると血液の状態が見えにくくなり、結果として「血管型」の特徴が生じにくくなると推測されるという。

一方、「構造型」は構造的にできる影により起こるクマ症状は、加齢によって起こる眼周りの皮膚や筋肉のゆるみ、眼の下の脂肪のふくらみなどが総合的に関連することで、結果として目周りの皮膚がたるみ、影となって現れていると考えられるとのこと。

同社は、クマとして認識される症状や、症状に関与する要因も年代によって変化していくとし、同研究結果を用いることで、症状や年齢に応じた、より満足度の高い目元ケア商品の開発につなげていくとしている。