ファッションとクオリティを最良の価格でサステナブルに提供するH&Mは、衣類から衣類へのリサイクルシステム「Looop(ループ)」をスウェーデンにて導入したと発表した。

不要となった衣類から、新しいファッションアイテムを生み出すことを可能にするという。

同社はファッションの「ループを閉じる(closing the loop、ゴミや有害物質を外に出さない)」ことを目標に掲げている。古着にも価値があり、決して廃棄されるべきではないことを、このリサイクルシステムを用いて顧客へ視覚的に訴求していくとのことだ。

衣類から衣類へのリサイクルを可能にするシステム「Looop」は、10月12日にストックホルムのドロットニンガータン店で公開され、同システムがファッション小売業の店舗に設置されるのは、これが初めてとなるという。

H&Mは、コンテナほどの大きさの機械が古着を新しいアイテムにリサイクルする様子を、一般に実際に見てもらえることを嬉しく思うとコメント。

また、これはより大きな計画の一部にすぎず、同社は最終的に循環型でクライメットポジティブなファッション産業を目指し、その実現に向けて数多くの魅力的なプロジェクトを進めているとのことだ。

H&Mはできる限り長く着続けたくなるファッションを提供すると同時に、革新的な素材や製造工程を取り入れているとしている。

さらに同社は、サステナブルなファッション産業への変化を導きたいと考えており、2013年にファッション小売業で初めて、世界規模で古着回収サービスを開始。そして現在、衣類から衣類へのリサイクルシステム「Looop」を導入し、次なる一歩を踏み出している。

Looopは、H&Mのロイヤリティプログラムのメンバーに登録しているユーザーは、100スウェーデン・クローナ(約1,200円)で使用でき、メンバー登録をしていないユーザーは、150スウェーデン・クローナ(約1,700円)で利用可能。

すべての収益は素材に関する研究費用にあてられるとし、同社は、2030年までにすべての使用素材を、リサイクルまたはサステナブルに調達された素材へと切り替えることを目標としている。なお、2019年には57%を達成。