パナソニックは、乾電池のグローバルでの累計出荷数量が9月末をもって日本企業としては初めて2,000億個を達成したと発表した。

1931年に乾電池の自社生産を開始して以来、70年目の2001年に1,000億個、89年目の本年に2,000億個を達成したもの。

同社は1931年に、「ナショナル」ブランドを初めて採用した「角型電池式ランプ」の本格的な普及を図るため、乾電池の自社生産を開始。

1939年には同社で初の海外生産拠点となる上海工場を開設するなど、海外工場進出の先駆けとして、その国々の生活の向上および産業の振興に貢献。

タイ、ペルー、コスタリカ、ブラジル、ベルギー、インド、インドネシア、ポーランドなどにも工場を開設し、海外で累計約1,500億個を生産してきた。

同社は、国際規格のもと、1954年に国産初の完全金属外装の「ハイパー」を発売。1963年にはハイパーと比べて2倍長もちする「ハイトップ」を、さらに1969年にはハイパーの3倍長もちする「ネオハイトップ」を開発。

1995年には強負荷放電性能を大幅にアップした大電流パワーアルカリ乾電池を開発し、普及が進むデジタル機器の特性に合わせ性能を高めてきた。

機器の進歩に伴い、乾電池の大電流化が求められ、この頃からマンガン乾電池からアルカリ乾電池への移行が加速していったという。

2008年にはアルカリ乾電池「エボルタ」を発売し、日本国内では業界初の使用推奨期限10年を実現。

2017年にはアルカリ乾電池「エボルタNEO」を発売。従来の「エボルタ」から長持ち性能を約10%アップさせるだけでなく、長期保存後の長持ち性能向上や過放電後のガス発生を約30%削減するなど、さらに長持ちで安心・安全な乾電池を実現している。

2008年エボルタ発売以来、2017年以降はエボルタNEOが「世界一長もちする単3形アルカリ乾電池」としてギネス世界記録に認定されており、8月17日には13年連続となる2020年度の認定を受けているという。

また、ギネス世界No.1長持ちのエボルタシリーズの性能を訴求するため、2008年から2019年まで「エボルタチャレンジ」を毎年実施。

エボルタ、エボルタNEOを用いたさまざまなチャレンジを行ってきた。このチャレンジを通してこれまでに4個のギネス記録を樹立しているという。

同社は今後の事業活動では、乾電池需要の大きな成長が見込まれるアジア・中南米市場を中心に販売を強化していくとのことだ。

これらの地域は、同社ブランドの認知度が高く、市場は今後マンガン乾電池から性能の高いアルカリ乾電池への切り替わりが期待されるという。

こうした市場変化を捉え、同社が日本で培ってきた高性能、高品質のエボルタシリーズを中心としたアルカリ乾電池を積極的に供給し、事業成長をめざしていくとしている。