京セラは、同社独自のデバイスを数多く搭載し、コンセプトカー第2弾となる「Moeye(モアイ)」を開発したと発表した。

「Moeye」は、自動運転化やMaaS(Mobility as a Service)の普及が進む中で、車室内空間の重要性に着目し、驚きと快適をもたらす未来のコクピットを完全オリジナルデザインの車両で開発。

今回の象徴的な機能として、東京大学先端科学技術研究センターの稲見昌彦教授と協働し、独自の光学迷彩技術を用いてコクピットの一部を透明化しドライバーの視野を広げることを可能にしたという。

さらに、人間の視覚・触覚・聴覚・嗅覚を楽しませる京セラ独自の各種デバイスを数多く搭載。車として重要な安全性とエンターテインメント性の両方を兼ね備えた車に仕上げたとし、京セラが考える未来の車の世界観を世に問う作品となっているとのことだ。

実装されている技術とデバイスは以下。

  • 視覚
    • 空中ディスプレイ
      高性能な液晶ディスプレイからの投影映像を結像させ、オリジナルキャラクターの”モビすけ”がダッシュボード上部の空間に、クリアで、リアルに浮かび上がりドライバーを楽しくナビゲートするという。
    • 光学迷彩技術
      ドライバーは一見すると何もないシンプルな形状のダッシュボード上にクリアで鮮明なバーチャル3D映像や、独自の光学迷彩技術によって透明化したダッシュボードを通して前方の風景映像を見ることができ、視覚で驚きと楽しさを感じてもらえるとのこと。
    • LED照明 CERAPHIC(セラフィック)
      ルーフとドアライトには、自然光に近似した生体に優しい光をつくり出す同社独自のLED照明CERAPHICを搭載。CERAPHICは、スペクトルのカスタマイズが可能なため、通常のLED照明では難しかった、繊細な色彩表現が可能であり、これにより、朝夕の自然光を自由に変調し車室内を演出するとしている。
    • 「京都オパール」宝飾
      京セラ製京都オパールをドアの内面に、人工オパールをセンターコンソールに装飾し、先進性のある空間を華やかに演出。
  • 触覚
    • HAPTIVITY® (ハプティビティ)
      パネルを指でタッチし感圧で微細な振動を発生させ、クリックしたことを伝えるHAPTIVITY(触覚伝達技術)をインパネとセンターコンソールに搭載。
      ユーザーインターフェースの操作と連動させて、ボタン押下の触感を実現するとのことだ。また、映像を見るだけでなく、リアルな触感で操作も可能。
  • 聴覚
    • 振動スピーカー
      ピエゾ素子を用いた振動スピーカーを搭載し、車室内に迫力のあるサウンドを提供し、耳で楽しめる快適空間を演出。ヘッドレストにも振動スピーカーを搭載し、ドライバーの耳元にクリアなサウンドを提供する。
  • 嗅覚
    • アロマ芳香器
      車室内に5種類の豊かな香り・匂いを噴射させ、気分に応じて香りを選び楽しむ快適空間を演出。

同社は、今後も注力分野であるモビリティセグメントにおいて、独自のデバイスやシステムを開発することで、安全・安心・快適な車社会の実現に貢献するとともに、未来の自動車のコンセプトと、新しいユーザー・エクスペリエンスを提案していくとのことだ。