NTTは、NTTドコモの普通株式および米国預託証券を対象とする金融商品取引法に基づく公開買付けを実施することを決定したと発表した。
今回、NTTがNTTドコモを完全子会社化した背景には情報通信市場を取り巻く環境変化および社会トレンドの変化があるという。これらをグローバルレベルでダイナミックな変化であるとし、今後目指す方向性として以下を掲げている。
- リモートワールドを考慮した新サービスの展開・提供
- リソースの集中化とDXの推進
- 世界規模での研究開発の推進
- スマートライフ事業など新規事業の強化
また、NTTの中期的な成長・発展に向けグループ横断でのリソース・アセットの戦略的活用と意思決定の迅速化が不可欠であるとしている。
今回の目的は、NTTドコモの競争力強化・成長およびNTTグループ全体の成長。
NTTドコモは、NTTコミュニケーションズ・NTTコムウェア等の能力を活用し、新たなサービス・ソリューションおよび6Gを見据えた通信基盤整備を移動固定融合型で推進し、上位レイヤビジネスまでを含めた総合ICT企業へと進化させるとのことだ。
主に取り組む内容としては、以下の4つが挙げられている。
- 法人営業力の強化
- 移動固定融合型の新サービス創出
- クラウド・データ連携による融合ソリューションの創出
- サービス創出力の強化
- パートナーとの協創によるスマートライフ事業強化と新事業創出
- ソフトウェア開発力の強化とユーザエクスペリエンス向上
- コスト競争力の強化
- ネットワークや建物、IT基盤等に係るリソースやアセットの最適化
- 研究開発力の強化
- 6G時代の移動・固定を跨るコアネットワーク
- IOWN構想の実現
- O-RAN+vRANに係る研究開発
また、取り組みを通じた社会への貢献として、産業の国際競争力の強化や社会的課題の解決、安心・安全な通信基盤の確保、情報通信産業の発展と顧客満足度の高いサービスの実現を行っていくとのことだ。
なお、NTTドコモの株式についての公開買付けは、9月30日から11月16日までを期間歳、買付け価格は1株あたり3,900円。買付け予定数は、10億9,089万6,056株としている。
公開買付けによりNTTドコモの株式の全てを取得できなかった場合、別途、NTTドコモを完全子会社とするための手続きを実施予定とのことだ。
NTTは、同件取引後の経営体制等については、現時点で未定としており、NTTドコモを完全子会社化した上で、NTTコミュニケーションズやNTTコムウェアのNTTドコモへの移管など、グループ会社との連携強化について検討していく考えであるという。
また、NTTデータについては、完全子会社化する考えはないとのことだ。