トヨタ自動車は、電通グループおよび電通と、トヨタ自動車の子会社であるデルフィスとともに、マーケティングの変革、モビリティビジネスの創造に向け、2021年1月(予定)に新たな体制を発足すると発表した。
トヨタ自動車、電通グループ、デルフィスは、デルフィスによる電通グループへの第三者割当増資を含む資本業務提携契約を締結。
以下の2つの事業会社と、それを統括する持株会社による新体制を発足するという。
1.デルフィスの事業を基盤に、以下を行っていく。
- 顧客から最も信頼されるブランドづくりに向けた新たなコミュニケーションの革新
- デジタル社会の進展など、時代の変化を先取りした新たなマーケティングへの変革
- モビリティ社会でのビジネスへのチャレンジ
2.リテール領域のデジタルトランスフォーメーション(DX)推進により、デジタルコミュニケーション分野の研究機関として、新たな「仕組み」と「ビジネス」の創造に取り組む。
また、持株会社は、新設・発足する事業会社を統括し、マーケティング領域の変革に関する戦略的意思決定を行うという。
今後、各国の競争法当局の承認等を取得後、電通グループがデルフィスに出資をし、2021年1月(予定)の新体制発足に向け、準備を進めていくとのことだ。
近年、ブログやSNSなどのソーシャルメディアの急速な普及により、情報発信の主体はマスメディアだけでなく個人や企業など多岐にわたり、その手法も多様化が進んでいる変化を受け、受けトヨタ自動車は、トヨタイムズといったオウンドメディアを中心に最も信頼される情報を提供するべくコミュニケーションの変革に取り組んできた。
また、CASE(コネクティッド、自動化、シェアリング、電動化)やMaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)の発展により、人々の暮らしを支えるあらゆるモノ、サービスが情報でつながって価値を生む社会を見据え、Woven Cityなどを通じて「幸せを量産する」事業へのチャレンジを始めたという。
今回、同社は、ビジネスモデルの変革を行うにはトヨタ自動車単体では現実が難しいと考えたとしている。
そこでまず、同社の100%子会社として自動車業界のマーケティングや自動車販売店を中心としたリテール領域にも強みのあるデルフィスを、広告代理店という枠組みを超え、「1. お客様から最も信頼されるブランドづくりに向けた新たなコミュニケーションの革新」「2. デジタル社会の進展など、時代の変化を先取りした新たなマーケティングへの変革」更には「3. モビリティ社会でのビジネスへのチャレンジ」を追求できる体制へと変更。
そして、国内外のマーケティング・ビジネスの創造において多くの実績を有する電通と思いを共にし、一緒にこの取り組みを実行していくことになったとしている。
電通がトヨタ自動車へ、統合マーケティング・コミュニケーションやデジタル領域の知見・ノウハウを提供することでスピーディーな変革推進につながるとしている。
トヨタ自動車は、電通およびデルフィスとともに新たな体制で、これまでの手法に拘らず広告代理店の領域、自動車メーカーの領域を超え、顧客に何が最適なのかを一緒に考え、提供していくことを目指しているとのことだ。