渋谷PARCOでは、9月18日~9月27日の10日間「SHIBUYA PARCO ART WEEK(渋谷パルコ アート ウィーク)」を開催すると発表した。アートをテーマとした企画は、今回が初となる。
芸術の秋にふさわしく、渋谷PARCOの魅力の一つである館内の9つのギャラリーが個性あふれる展示を行う他、館内ショップでもアートにまつわる展示や商品を展開するほか、アーティストやDJによるスペシャルイベントも開催。
対象のギャラリーやショップで入場料オフなどの特典が受けられる「ART PASSPORT」企画も実施、対象店舗1店舗以上
で特典を受けるとジェームズ・ジャービスオリジナルキーホルダーが抽選できるという。
メインビジュアルについては、イギリス人アーティスト、ジェームズ・ジャービスによる書き下ろし、日本の商業施設へのビジュアル提供は初になるとのことだ。
以下では、各ギャラリー展開企画について紹介する。
コスミックな世界観を追求する、大竹彩子の大規模個展
ペインティング、ドローイング、コラージュ、写真と多彩な手法を組み合わせ、軽やかな視点の移動によって、コスミックで大胆な表現領域を切り開く大竹彩子。
大きな反響を巻き起こした昨年の「COSMOS DISCO」(DIESEL ART GALLERY[東京・渋谷])から1年の制作期間を経て開催される同展は、アートファン待望の大規模な新作個展となる。
9/18の11:00より実施するライブコラージュも必見となっている。
ゲイアート作家、画家トム・オブ・フィンランドの日本初個展
ゲイを描いたアートでLGBTQの権利を訴えたフィンランドの作家TOM OF FINLAND(トム・オブ・フィンランド/1920年~1991年)の日本初の個展“Reality&Fantasy The World of Tom of Finland”を開催する。
LGBTQコミュニティのみならずアート界でも影響力のあるTom of Finland 。日本初公開となるTom of Finlandのオリジナル作品30点の展示を予定しているという。
本展は、フィンランドセンター、駐日フィンランド大使館、TOM OF FINLAND財団、The Container、パルコの共同開催となる。
展覧会のキュレーションは東京を拠点にキュレーターとして活動、自身のギャラリーThe Containerのディレクター シャイ・オハヨンが担当。
本年はTom of Finland生誕100周年(#TOMs100)にあた
るという。
9/18~9/24には、8F・ホワイトシネクイントで伝記映画「トム・オブ・フィンランド」の上映も行うとのことだ。
ポップな社会派、ジェームス・ジャービスの個展を開催
コミック的なイラストレーションとオリジナルのキャラクターフィギュアを組み合わせた、比類なき表現方法を追求するイギリス人アーティスト、ジェームス・ジャービス。
「NANZUKA 2G」では、彼の個展「Transcendental Idealism」が開催される。
社会問題からポップーカルチャーまで、あらゆる関心を背景として描かれたキャラクターたちは、シンプルでありながら実に雄弁に現代人の姿を映し出す。
今回の展示では、パンクバンドのライブなどで客同士が激しくぶつかり合う“Mosh Pit”の様子をカラーアクリル板で表した平面作品や、技を決めたスケートボーダーを表現した彫刻作品を発表。
なお、中目黒の「3110NZ by LDH Kitchen」でも彼の個展が同時期開催されるとのことだ。
1741の「市町村」を写した仁科勝介の写真展
日本に1741あるという「市町村」を大学在学中の2年を費やし、そのすべてを巡った仁科勝介(通称かつお)の写真展を開催。
会場には1741枚の写真がずらりと並ぶと同時に、作品のオリジナルプリントが購入可能となる。
展示作品とは別に彼がセレクトした「47都道府県別、旅のプリント」や、旅の記録をまとめた本「ふるさとの手帖」、さらには仁科氏が道中で出会ったおいしいものの販売も行う。
加賀美健とのコラボレーションアイテムが並ぶ
ヴィンテージアイテムにアーティストのアートワークを落とし込んだニューコレクション「V(ブイ)」を初披露。
加賀美健とのコラボレーションしたエクスクルーシブアイテムが揃う。
そのほか、多彩なアーティストによるVOILLDのオリジナルアイテム展開に加え、VOILLDが所蔵する貴重な作品の一部も展示する。
写真展「浅田家」(2009年)から11年。再びPARCOで浅田政志最新写真展開催
本邦初公開の最新作写真集「浅田撮影局 まんねん」の世界が広がる展示で、浅田政志自身の息子「朝日」は縁起のよさそうな人に出会い、その場所に赴くことで、「千年。万年
と末長く幸せに過ごしてほしい」と願う父親としての普遍的な願いをストレートに込めている。
しかし、現実に千年、万年と生きることは叶わないことで、巡る命を写真で伝えていく思い出の形や、父「章」の遺影写真と向き合い模索する様をありありと写し出している。
そして、会場内に設えられた写真館風撮影スポットでは、今日という特別な一枚の思い出も持って帰れる「見て、撮って、残す」唯一無二の写真展となっているとのことだ。
匿名アーティスト、AtoZ MUSEUM®の展覧会
東京を拠点とする匿名アーティストA2Z™による展覧会「AtoZ MUSEUM®」を開催。
すでに“認知”されている世の中の日用品、身の回り、日常にあるもの(A[起源]からZ[終焉]まで)を再定義し、アート作品としてパッケージするというのが、そのコンセプト。
第一弾では、アメリカのシカゴ美術館で2018年に著作権が消滅した、5万を超える“著作権フリー”の作品から画像を選出し、改変した作品を発表。
正解がコモディティ化された現代において、新たな思考を創出することを目指すA2Z™。見る人にさまざまな問を投げかける内容になっている。
「芸術とは?」を問いかけるタル・アールの個展
デンマークを代表するアーティストの1人、タル・アール。パリのポンピドゥー・センターからロサンゼルスのハマーコンテンポラリーコレクションまで、世界各国の美術館がパブリックコレクションとして所蔵する彼の個展が開催される。
鷹揚な幾何学模様や大胆な塗り重ねによって、あるときは物語的に、またあるときはポップに描かれる彼の作品は、「芸術表現とは何か?」を造形的に模索すると同時に、見る者の記憶をさまざまな形で揺さぶりをかける。
今回は、さまざまな写真やイラストの切り抜きを組み合わせたポスターを展示するとのことだ。
ビジュアル表現の匠、福田利之の原画を展示
絵本「ねずみのシーモア」の挿画から、テキスタイルブランド「十布」のデザインまで、多岐に渡るビジュアルを手がけるイラストレーター、福田利之の原画展を開催。
会期中、作品集や「十布」のアイテムなどが購入できる。また、今年7月に「DELFONICS」と10組のアーティストがコラボレーションし、限定デザインのロルバーンポケット付メモ
を販売した企画「My Favorite Things Rollbahn by 10 Artists」において、同紙がイラストを提供したバージョンが再販売される。
こちらは、象と鳥がかたち作る蕾の中で、儚げに佇む猫の姿が、同氏らしい淡い色使いで描かれているとのことだ。