花王とライオンは、プラスチック包装容器資源循環型社会の実現に向けて、フィルム容器のリサイクルに協働して取り組むことを決定した。

これまで花王では、「リサイクリエーション」を通じて、循環型社会への新しいシステム・ライフスタイルの提案を進めているという。

ライオンにおいても、循環型社会への貢献と、定期的なハブラシ交換を促すことで消費者の歯と口の健康維持へ貢献することを目的とする「ハブラシ・リサイクルプログラム」を通じて、消費者から使用済みハブラシを回収・リサイクルし、植木鉢などにリサイクルする取り組みを推進している。

しかし、フィルム容器やハブラシのリサイクルを、規模を拡大して継続していくためにはさまざまな課題があるという。

特に、つめかえ製品のフィルム容器は複合素材のため単一成分のみの分離が難しいうえ、メーカーによって使用しているプラスチック素材や設計が異なり、そのリサイクル素材をフィルム容器などの製品に再生する場合に多くの制約があるとのことだ。

そこで、今回花王とライオンは資源循環型社会の実現をめざし、フィルム容器のリサイクルに企業の枠を超えて取り組むことを決定したとしている。

具体的に、以下4つの取り組みを推進する。
・消費者、行政、流通との連携による、フィルム容器の分別回収のしくみを検討
・幅広い製品への利用や消費者の分別回収のしやすさに配慮し、かつ企業間あるいは業界の垣根を越えて共通利用が可能なリサイクル材料・容器の品質設計に取り組み
・共同で回収・再生したリサイクル材料の活用方法を検討
・リサイクルに対する消費者の理解・協力を深めるため、普及促進・啓発活動に取り組む

まずは、地域の人々と協力してフィルム容器の分別回収と啓発を行なうリサイクリエーションの協働を開始し、フィルム容器リサイクルの技術的課題の共有化を実施。

そして将来は、リサイクリエーション活動を継続しながら、フィルム容器から再度フィルム容器に再生する水平リサイクルをめざし、フィルム容器リサイクルの社会実装を進めていく方針を示している。