三菱マテリアルの高機能製品カンパニーは、RoHS指令など鉛に関する各種規制に準拠する鉛フリー快削黄銅「エコブラス®(従来品)」シリーズに続き、従来品よりも経済性、導電性、熱間加工性を向上させた次世代鉛フリー快削黄銅「グローブラス(英語表記名:GloBrass)」 を開発したと発表した。
グローブラスは、従来品の快削性・高強度は維持しつつ、銅と亜鉛の配合比率を見直すことでメタルコストを抑制した鉛フリーの黄銅。
また、グローブラスは従来品と比べ約2倍の導電率16%を達成し、さらには熱間加工性を向上させたことにより、導電性が求められる電気・電子部品をはじめ、幅広い市場・用途で使用できるという。
さらに、同社が顧客の要望を聞いたうえで、鉛含有黄銅からグローブラスへの代替やグローブラスを使った新製品の開発に加え、同社の加工事業カンパニーと連携した適切な切削条件や切削工具の提案など、仕様・製品に関する全般的なサポートも可能であるとのことだ。
現在、人体や環境に有害な鉛の環境規制は、欧州におけるRoHS指令、ELV指令など世界的に拡大・強化されつつある。
また、国連持続可能な開発サミットにおいては2030年までの新たな「持続可能な開発目標(SDGs)」が定められるなど、企業の社会的責任も高まっているという。
こうした社会的課題を解決すべく、同社は2002年に鉛フリー快削黄銅エコブラス®を発売して以来、2015年の耐食性に優れたSnECO®に続き、今回グローブラスの開発に至ったという。
なお、同社の鉛フリー快削黄銅シリーズをはじめグローブラスは、SDGsの目標6(安全な水の供給・衛生)、目標9(産業インフラ、産業イノベーション基盤形成)、目標12(持続可能な消費と生産)に貢献する画期的な素材であるとのことだ。
同社グループは、今後も顧客の要望に応じたオンリーワンの素材を供給するとともに、利用者一人ひとりに合わせたベストな加工ソリューションを提供することで、豊かな社会の構築に貢献していくとしている。