ブリヂストンのグループ会社であるブリヂストン サウスアフリカ ピーティーワイ リミテッド(BSAF)は、同社が保有するポートエリザベス工場(PE工場)の閉鎖に向けて関係者との協議を開始したと発表した。

PE工場は、1936年に操業を開始したバイアスタイヤ専用工場のこと。

同社グループは中長期事業戦略の実行に向けて、「コア事業」であるタイヤ・ゴム事業と、「成長事業」であるソリューション事業による同社独自のビジネスモデルを構築していくという。

タイヤ・ゴム事業においては、生産拠点の最適化を含めた経費・コスト構造改革とともに、プレミアムビジネス戦略強化等を進めて「稼ぐ力の再構築」を図っており、同件はその取り組みの一環であるとのことだ。

現在、グローバルのタイヤ需要がバイアスタイヤからラジアルタイヤにシフトする中、PE工場が生産するバイアスタイヤの市場規模は縮小している。こうした需要構造の変化を踏まえ、これまでPE工場の操業を継続するためにあらゆる可能性を検討してきたが、競争力を維持しながら同工場の操業を継続することは困難であるとの結論にいたったという。

BSAFは今後、PE工場の閉鎖に向けて関係者と協議するとともに、閉鎖により影響を受ける252名の従業員とその家族、地域社会への影響が最小限に留まるよう対話を継続していくとしている。

なお、BSAFならびに、乗用車用ラジアルタイヤおよびトラック・バス用ラジアルタイヤを生産する同社のブリッツ工場は、就業する2,000名以上の従業員とともに南アフリカ共和国において事業を継続し、引き続き、製品・サービス・ソリューションを提供していくという。

また同社は、同件が当期の連結業績に与える影響は軽微であるとしている。

同社グループは、事業環境の変化に応じたポートフォリオの最適化や戦略的なリソース配分を通じ、将来にわたって社会価値・顧客価値を提供し続けるソリューションカンパニーへ進化していくとのことだ。