新型コロナウイルスの影響により、様々なスポーツに影響が出ている。自粛期間には、様々な企業が、自宅で行うことのできるオンラインのフィットネスコンテンツなどを展開し、「宅トレ」に励んだ人も多いのではないだろうか。
また現在、「ニューノーマル」において、自転車が感染拡大防止に役立つとされ、街中にはシェアサイクルが増え、すでに多くの人が電車通勤から自転車通勤へ遷移していることは確かである。
こうした中で、現在サイクリスト向けのオンライントレーニングサービス「Zwift」が注目されている。
Zwiftは、オンラインゲーム感覚でトレーニングができ、自宅に居ながら世界中のサイクリストと一緒にトレーニングやレース体験ができるバーチャルサイクリングアプリ。
Zwiftの使用には、自転車(ロードバイクやクロスバイク、マウンテンバイクなど)とPCやスマートフォンなどのデバイス、スマートトレーナーやローラー台が必要。また、ローラー台の場合、スピードセンサーの送受信機が必要となる。
これ以外にも、EDGENITYが、現在CAMPFIRE にてクラウドファンディングを実施している「HITFIT Bike」などでも利用できるとのことだ。
Zwiftでできることは前述の通り、バーチャルワールドの中で、サイクリングやランニングの体験である。トレーニングやレースへの参加、また、自宅に居ながら130以上にも及ぶコースを走ることができる。
実際に、このZwiftを活用し、「ツール・ド・フランス」が、バーチャル空間にて開催された。
ツール・ド・フランスは、フランスおよび周辺国を舞台に行われる自転車のロードレース。世界三大スポーツイベントの1つともされており、全世界で30億人もの人が観戦していると言われている。
そんなツール・ド・フランスは、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、今年初めてバーチャルで開催。バーチャルであるため、風の抵抗などは感じられないが、上り坂になった際にはペダルを踏む負荷が増し、他選手の後ろを走っている際には、空気抵抗が減り負荷も軽くなるという。
なお、同大会は、通年7月開催であるが、この時期にバーチャルで開催し、8月末から実際に開催され、「J SPORTS」にて放送されるとのことだ。
また、Zwiftはサイクリングのみではなく、ランニングにおいてもサービスを展開しており、こちらも同様にトレッドミル(ランニングマシンなど)やフットポッド(Bluetooth方式)、タブレットやスマホなどデバイスが必要となる。
これにより、ランナーもマラソンなどに参加することができるとのことだ。
今回、Zwiftを用いたサイクリングやランニングを紹介したが、実際にこれらを趣味としているビジネスマンも多く、厚生労働省では、有酸素運動などのランニングやサイクリング、ダンスなどによって、睡眠リズムの確立や、心身におけるリラックス効果があるとして、推奨している。
また、夏場の大敵である熱中症などにおいても、自宅で適度なコンディションの中、行うことのできる運動は効果的といえるだろう。
なお、今年においては、こうしたバーチャルを用いたオンラインマラソンが様々なマラソン大会において導入されることが発表されている。
日本のランニングポータルサイトである「RUNNET」と連携しているGPSトレーニングアプリ「TATTA」が、リモートマラソンをトータルサポートするという。
このTATTAは、RUNNETと連動し、大会エントリー記録からレース結果を自動連携しており、大会に向けてどのくらい頑張ったか、同じ大会にエントリーした人の間だけでの、練習ランキングも競えるという。スマホを持たずとも、ガーミンやエプソンのGPSウォッチ、Apple Watchとの連携機能を使って、走行データを自動アップロードする機能も付いている。
なお、TATTAを用いて今年開催されるオンラインマラソンは、期間内に指定の距離を走るものや、1回で走るものなど様々な開催となっている。
感染症拡大防止による観点および危険とされるコンディションのもと運動をすることにあたって、ZwiftやTATTAなどを使ったバーチャルにおける運動は、今後さらに注目されるのではないだろうか。