アサヒグループホールディングスは、新型コロナウイルス感染拡大に伴うニューノーマル(新常態)を見据え、2020年8月より事務・営業職を対象にリモートワークを基本とした新しい働き方(以下、リモートスタイル)を標準とすることを発表した。

これに伴い、リモートワークが難しかった商品の製造や物流に直接的に関わる職種においても、先行している豪州のグループ会社での遠隔監視の事例を参考に、新しい働き方の検討を開始。

豪州での取り組みは、これまで工場でしか出来なかった工程管理や稼働状況および主要機器の状態の監視を、管理者が自宅で行い、自宅から工場へ指示するという働き方であるという。なお、製造設備の操作は実際に現場で行う。

同社は、リモートスタイルの概要として、アサヒグループホールディングスおよび国内のグループ会社各社事務・営業職の約9,000名を対象とする。勤務形態に関しては、事務は、リモートワーク勤務を基本とし、出社を併用した働き方に、営業は、自宅から営業先まで直行直帰を基本とし、出社を併用した働き方とするとしている。

また、出社人数を約30%~50%以内とした上限を設け、出勤時は、混雑ピーク時間帯を回避した時差出勤や直行直帰を行うとのことだ。

同社グループは、今回の決定に伴い、社内基盤・諸制度の見直しを進める。8月以降には、順次、オフィスへ出社しなくても効率的に業務を遂行できるインフラの整備およびワークルールの見直しを実施するという。

さらに、人事諸制度の見直しも図り、リモートスタイルへの変革を支え、従業員一人ひとりの安全かつ安心した環境の整備と成長を支援する人事諸制度へ移行していく考えを示した。

なお、同社はこれまでもワークライフバランスを実現した多様な働き方を推進するために、2007年からコアタイムを設けないスーパーフレックスタイム制度を導入。

その後も2010年からはテレワーク勤務制度を導入、2015年にはスーパーフレックスタイム制度とテレワーク勤務制度の併用を可能とするなど、制度導入だけでなく勤務実態に合った制度に柔軟に見直すことで、運用面の強化を図ってきた。

同社は、また、2020年秋に予定していた転居を伴う人事異動は原則実施しないことにしたとしている。