住友商事は、介護人材の定着支援サービス「kaigo FIKA」(カイゴ フィーカ)の本格事業化に向け、実証実験を開始したと発表した。

現在、日本において介護人材の確保と育成は喫緊の課題となっており、2025年には介護人材が55万人不足すると言われている。しかし、介護業界は職場の人間関係や、処遇、キャリアアップなどの問題により、勤続3年未満の離職率が高いという構造的な問題を抱えているという。

kaigo FIKAは、介護人材の定着を支援する人材育成ワークショップ。「FIKA」はスウェーデンの伝統文化で、ティータイムのコミュニケーションを意味する。

ワークショップでは、リラックスした空間をオンライン上で構築し、多忙でシフト制によりコミュニケーションが不足しがちな介護職員同士のチームアップを促進。

さらに、ワークショップの内容をデータ分析し、浮かび上がった課題を可視化するとともにその課題解決を支援するとのことだ。

今回の実証実験では、パートナーとして、御用聞きおよびM2ホールディングスと協働。2020年6月から東京都内の有料老人ホームでkaigo FIKAを導入し、データの蓄積と分析を開始している。

将来的には、施設運営者のマネジメント支援や「プロフィッカー制度」(中堅介護職員への副業支援)を展開し、介護業界に特化したチームビルディングプラットフォームの構築を目指すとのことだ。

なお、同件は、住友商事の社内起業制度「0→1チャレンジ2019(ゼロワンチャレンジ2019)」にて新規ビジネスの優れたアイデアとして選出された案件。

同社は、kaigo FIKAを通じて介護人材の離職率低下に寄与し、介護業界の人材不足を解決することによって、施設入居者への質の高いサービスを実現し、豊かな超高齢社会、持続可能な社会の実現に貢献していくとしている。