“変わらないこと”の価値観をどう捉えるか? サステナブルなリゾートのあり方

島の自然ほぼそのままの中に存在するリゾート、“ニヒスンバ”。周りの環境に溶け込むように建てられている様子は、完成当時と殆ど変わっていない。

人々の旅行や旅先での過ごし方に対する価値観が多様化している中、ビジネスの面で「変わらない」でいるということは、かなり勇気のいること。

しかしながらその反面、新しいものを追い求めて姿を変えたり、周りに合わせで変化するというそんなやり方に共感しない人々が増えているのも事実。

島の人々と自然との共生を図りつつ建設を進めてきたニヒスンバの環境は、とても魅力的。島の自然の中で自分がどう楽しむか。どう楽しめるのかが試される、ある意味そんな場所でもある。

「変わらない」というのは「なにもない」というのとは違う。いくつかの魅力的なアクティビティも用意されている。中でもスンバ島ならではと思うのが、“スパサファリ”。

島の自然の中をトレッキングで断崖絶壁のスパパビリオンへと向かうという、文字通りサファリ+スパの内容。

Sumba
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シンプルな小屋の中に用意されたスパベッドに顔をうつ伏せにして横たわれば、下に広がる絶景の海。どこかのスパのような、CDから流される人工的な音とは異なる、リアルな波と風の音のBGMは、スパ開始後ほどなく寝落ち=夢心地ワールドへと直行させるのに十分。

Sumba
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世界を放浪してきたサーファーとセレブという、両極端な二人が作り上げたニヒスンバ。ここはラブ&ピースとラグジュアリーとが絶妙なバランスで成立している、世界でも例を見ないリゾート。

元サーファーと投資家が生み出した観光地。変わることのない価値とは

そもそもは1898年。旅人でありサーファーだったアメリカ人、クロードが島の波の噂を聞きつけてこの島にやってきたのが、ニヒスンバの始まり(その後、あのトリーバーチの元夫、クリスバーチが共同オーナーに)。

 Claude
島に初めてやってきた頃のクロード
Claude
現在のクロード(左)

当時からサーフトリップ先として、一部のサーファーには知られた場所であったスンバ島ということもあり、一度に海に入れる人数を制限。サーファーウェルカムのスタンスは今も変わらない。

Sumba
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ビラの前に広がるビーチにはほとんど人影なし(撮影時オフシーズンのため、波はなし)

島の自然ともっとも近づく方法は、SUPを漕いで自力での川下り。

田園地帯を流れる川を下り、海へと向かう途中に見る島の風景や人々のシンプルな暮らしは、予定調和一切なしの一生忘れることのできない素晴らしい風景。

Sumba sup
Sumba sup
Sumba sup

秘境とも言ってもいいこの場所で、「こんなことができたら嬉しい」という体験や建物、設備の配置や設置に一々感動點せられるニヒスンバのホスピタリティ。

Sumba

環境と快適さと不便さの微妙なバランスが魅力的なここが、アメリカの有名旅行雑誌「Travel & Leiure」誌で2年連続No.1ホテルとして選出されたのにも納得なのだ。

Sumba
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バリから飛行機で約1時間のスンバ島。そこからワイルドな山道を約40分車で走った先に広がる“ニヒスンバ”。もしかしたらここは、日本から最も近いそして親しみやすい絶景隠れ家リゾートなのかもしれない。

Sumba
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この場所でどう過ごすかは自分次第。しかしどう過ごそうと、滞在以前と以後では自身の価値観が少なからず変化する・・・。ニヒスンバとはそんなリゾートでもあるのです。

取材・文:山下マヌー  
取材協力:NIHI Sumba(ニヒ・スンバ)