ヤマトホールディングス傘下のヤマト・スタッフ・サプライが、「運転適性診断システム」を刷新し、4月からの運用を開始することを発表した。
まずは、ヤマト運輸の全国88カ所の主管支店に100台以上の機器を導入。ヤマトグループ外の一般顧客についても、同社の研修センター(東京・愛知・大阪・福岡)にて新システムによる受診を開始するという。
同社は、2004年2月に民間企業として初めて国土交通大臣より運転適性診断の認定を取得。以来、自動車運転事業者への運転適性診断事業を展開することで、より安全な社会の実現に向け取り組んできたという。
一方で交通環境の変化により、危険場面や事故リスクが変化していることから、これに適応した精度の高い診断をより多くの運転者に提供するため、運転適性診断システムを刷新したとのことだ。
これまで同社が提供してきた運転適性システムでは、筆記テストや機械テストなど、テストごとに都度受診をする必要があったが、新システムではひとつの診断機(PC)ですべて(※)の診断を完了することが可能となる。
また、従来の「性格テスト」「安全運転態度テスト」は、複数回受診することで問題に慣れてしまうことが課題となっていた。
新システムでは、新たに項目反応理論を採用し、毎回出題される項目を変えながら、正確かつ比較可能な診断を可能にしていくという。両テストの出題内容を刷新することで、受診時の個人特性や状況から、性格・態度にある危険傾向をより把握できるようにし、的確なアドバイスのもと、事故の未然防止へとつなげていくとのことだ。
なお今回、同システムを導入した事業者へは、データ分析や診断結果の活用・解説講習を提供するとしている。また、同システムとこれまでヤマトグループが培ってきた交通安全指導のノウハウを掛け合わせた、安全コンサルティング事業の展開や、高齢運転者向け安全講習の商品化などを新たに展開していく予定でありという。
同社は、これらの取り組みを通じて、交通事故のない社会の実現に貢献していきたいとのことだ。
(※)65歳以上の運転者の「適齢診断」には、別途夜間視力を測定する診断機が必要。