公正取引委員会(以下、公取委)が、飲食店ポータルサイトに関する取引実態調査についてアンケートを実施し、結果を発表した。

近年、国内の外食産業の市場規模は拡大傾向にあり、インターネットやスマートフォンの普及により、多くの消費者は飲食店を検索する際に飲食店ポータルサイトを利用するなど、行動様式が変化してきているという。

また、飲食店の営業活動も変化し,飲食店ポータルサイトとの取引はますます重要になっている。

一方で、公取委はこれまで経済のデジタル化の進展に対する対応として、デジタル・プラットフォーマーについての分野における競争環境の整備に力を注いできているとのことだ。

今回、飲食店ポータルサイトをめぐる取引について、独占禁止法上問題となるおそれがあるか、または、競争政策上望ましくない取引慣行などの有無を明らかにするため、実態調査を実施した。

調査結果の主な内容として、加盟店の約11%が一方的な契約内容の変更を受け、そのうち約69%が不利益を受けたと回答。これは、優越的地位にあるサイトが飲食店に対して、契約内容を一方的に変更し、不当に不利益を与える場合には、優越的地位の濫用となるおそれがあるという。

検索結果の表示順位については、低額な手数料のプランを契約する飲食店より、高額なプランを契約する飲食店を、より上位に表示。なお、検索結果の表示順位について、消費者の約89%はその決定方法を知らないサイトがあると回答。

店舗の評価(評点)は、加盟店の約94%が検索結果の表示順位を上昇させたい一方、約32%が不満や疑問を感じるという結果に。なお、飲食店ポータルサイトは、飲食店からの手数料が影響を与えることはないとしている。また、不正操作リスクから算出方法を全て公開することは難しいとの意見が挙げられた。

飲食店舗情報や口コミについては、飲食店の約29%が無断で掲載され不利益を被ったという。そのうち約54%が削除・修正を求め、少なくとも約29%は削除・修正ができていない状況も明らかになった。