三菱電機が、生物反応槽への過剰な曝気を抑制する「曝気量制御技術」を開発した。
同技術は、同社のAI技術「Maisart®(マイサート)」を活用し、下水処理に必要な酸化処理を行う生物反応槽への流入水の水質(アンモニア濃度)を数時間先まで高精度に予測することにより、生物反応槽への過剰な曝気を抑制するもの。
実際の下水処理場のデータを用いたシミュレーションでは、区画ごとに制御することにより、処理水質を維持しながら従来比約10%の曝気量削減を実現。
さらに、全国の年間電力消費量の約0.7%(約70億kWh)の電力を消費している現状である「下水処理場の電力消費量の削減」に貢献するという。
なお、現在は国内の下水処理場の協力を得て同技術の効果を確認中とのこと。
同社は今後、実運転での制御の安定性や効果を検証し、国内外の下水処理場向け運転監視制御システムとして2020年度の事業化を目指すとしている。