ネコリコと日本データサイエンス研究所(以下「JDSC」)、ならびに東京大学大学院情報学環 越塚登研究室が共同で、AIと電力データを用いたフレイル検知に関する実証実験を、2020年に三重県東員町において実施することを発表した。

同実験は、「東京大学と三重県との連携・協力に関する協定」に基づいて、2020年1月21日設立予定の「東大・三重連携 介護予防に向けたAI・データ活用研究会」と連携し、東京大学地域未来社会連携研究機構、東京大学高齢社会総合研究機構、三重大学、三重県、東員町が参画して、東員町における2020年中の実施に向けて共同実験を進めていくという。

“フレイル”とは、健康な状態と要介護状態の中間に位置し、身体的機能や認知機能の低下が見られる状態のこと。適切な治療や予防を行うことで要介護状態に進まずにすむ可能性があることから、フレイルの早期発見、早期対応が重要だという。

東京大学大学院情報学環越塚登研究室、ネコリコ、JDSCの3社は、2019年4月より、電力データを活用したスマートホームソリューション高度化に関する技術の共同研究の下で、スマートメーター(※)から取得可能な電力データや各種センサデータとAIを活用し、家庭の見守り等に資する技術を研究開発してきた。

特に単身高齢世帯に対し、AIが電力データなどの各種データから、フレイルの簡易判定を行う技術検討も進めており、共同実証を通じ、漏れのないフレイル早期発見を実現し、地域が抱える介護予防の課題解決を支援するべく、同技術の社会実装を目指していくという。

今回の実験では、将来の地域におけるフレイル発見の課題解決に資するよう、住民の方々への説明、および実験参加者の募集を通じて、約30世帯の単身高齢者世帯に協力を募る。

なお、実験期間は令和2年度の1年間を予定しているという。

(※)毎月の検針業務の自動化やHEMS(Home Energy Management System)等を通じた電気使用状況の見える化を可能にする電力量計。中部電力管内では2022年度末までに全家庭への設置が完了予定。