京都橘大学と日立製作所は、19番通報を受信する通信指令員向けに、AIを活用して傷病者の緊急度の判定を支援するシステムの共同研究を開始することを発表した。

今回、豊中市消防局における個人情報を除いた通報時の聴取内容や、搬送後に救急隊が記録した緊急度、搬送先での初期診断結果といった蓄積データを用いて、緊急度判定プロトコルの判定精度を分析するほか、AIによる予測モデルを用いた判定精度を検証。

システムで予測した緊急度や病名と、実際に救急隊が判断した緊急度、搬送先病院での初診時の診断などを総合的に突き合わせ、AIに学習させることで継続したシステムの精度向上を図るという。

なお、本システムは、日立が開発した、根拠を説明できるAI(Explainable AI)を活用。本技術により、AIがなぜこのような予測をしたのか予測根拠を提示することが可能となり、通信指令員の救急対応時の判断を支援する。

また、それらの予測根拠を網羅的に分析することで、緊急度を左右する重要な聴取項目の把握にもつながることが期待されるという。