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近年、政府の推進もあり、国内でもニーズが高まってきているリカレント教育。
しかし、ひとえに学び直しといっても、忙しいビジネスパーソンにとっては定期的にスクールに通うことは容易ではない。独力で学ぼうにも「学び方が分からない」「継続できない」などといった悩みに直面した経験のある人も多いだろう。
今、時間や場所を選ばずに学ぶことのできる「オンライン学習」がトレンドとなっているのは、そうした背景からだろう。
台湾初のスタートアップで、全世界で会員数350万人を誇る、オンライン英語学習サービス「VoiceTube(ボイスチューブ)」もトレンドの一つだ。YouTubeやオリジナルを含む70,000本以上の動画を公開しており、字幕サポート付きのコンテンツを観ながら、ネイティブが普段使用している実用的で自然な英会話を効率的に“楽しく”学ぶことができる。
では、多様な働き方が求められている現代において、オンライン学習はキャリアにどう繋がるのだろうか。また、オンライン学習は日本の教育市場に今後どのような影響を与えるのか。
その示唆を得られるトークセッションが、先日東京都渋谷区で開催。
イベントでは、「VoiceTube」のCOO、Johnny Tsai(ジョニー・サイ)氏が来日し、日本のオンライン学習サービスをリードする「Schoo」のCEO 森 健志郎氏と「Progate」の代表取締役 加藤 將倫氏とトークセッションを行なった。ビジネスパーソンの今後のキャリア構築や、選択肢を広げるためのサジェストを提供した。
※ファシリテーションはAMP共同編集長の木村和貴
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キャリアの可能性を広げるオンライン学習の力
木村 和貴(以下、木村):最初の質問ですが、今後のキャリアの可能性を広げるにあたって、オンライン学習は私たちにどのような影響を与えるでしょうか?オンライン学習ビジネスに携わるきっかけとなった起業エピソードも交えて教えてください。
加藤 將倫氏(以下、加藤氏):私は、元々オーストラリアのパースという街で育ち、高校の時に帰国してからは東京大学へ入学しました。しかし、日本の生徒の多くは人生の夏休みのようにのんびりと過ごしており、授業内容にも物足りなさを感じていたんです。
大学3年生の頃、iPhoneが普及し始めたりFacebookの映画が流行ったりして、プログラミングに憧れるようになりました。そこからプログラミングを学べる学科に転科したのですが、中学時代から続けているような人たちに付いていくことができず、結局大学にも行かなくなってしまって挫折した経験があります。
それでも「自分でWebサービスやアプリを作りたい」という思いは持ち続けていましたが、当時はオンラインでプログラミングを学べる環境がありませんでした。
そんな時、ある企業の技術顧問の知り合いから、試しにサービスを作ってみないか?と半ば弟子入りのようなかたちで誘ってもらったんです。友人と2カ月ほど籠ってプログラミングをすることで、何とか納品するという経験ができました。
初めてのサービスづくりで感動したということもありますが、自分の周囲の友人もプログラミングがきっかけで大学を辞めたり、新しい挑戦をしたりしていて、プログラミング学習は人生を変えられるインパクトがあるんだと気づきました。それをオンラインによって多くの人に学びときっかけを提供できたら素敵だな、と思ったのが起業のきっかけです。
「VoiceTube」COO Johnny Tsai(ジョニー・サイ)氏
ジョニー・サイ氏(以下、サイ氏):私は元々銀行員だったのですが、2013年に通信業界の業績が大幅に成長した現象からスマホ利用者が年々増えている傾向を察し、当時の仕事を辞め、モバイル業界に転職しました。はじめに専門だった金融関連の事業を立ち上げましたが、失敗してしまい、自分のニーズでもある英語学習からもう一度チャレンジしたいと思い、VoiceTubeを立ち上げました。
加藤さんがおっしゃっていた日本の大学と同じく、台湾でも大学の最初の2年は遊んで過ごしている学生が多いです。それは、学生たちは自分たちが大学で学んでいる知識と仕事の関連性がわからないため、テストのための勉強だけに集中しているからだと思います。
特に英語に関して、私の場合も、学校や仕事で英語を学んだにも関わらず、「いざ外国人を目の前にしたら言葉が出ない」といったような経験が何度もあり、その度に落ち込み、悔しい思いをしてきました。
何度も英語を勉強しようと思い、いろんな方法を試しましたが、続けることが難しく挫折し、どうすれば効果的に勉強できるのか悩んでいました。試行錯誤した結果、英語動画を何度も繰り返し視聴するのが効果的であり、興味のある内容から取り組むことで、継続できるシチュエーションと合わせて覚えやすくなると気が付きました。
そして、多くの専門家が言語は「学ぶもの」ではなく、「習得するもの」だと主張しています。自転車の乗り方と同じく、はじめはそのまま乗ってみますが、練習を重ねてリズムを把握することでスキルを身につけることができます。英語学習もこの理論に当てはまると思います。
それに気づいてから、英語力は格段に伸び始め、少しずつ話せるようになっていくことがものすごく楽しかったんです。
そういった自身の経験もあって、「テスト用の英語」や「テキスト上だけの英語」ではなく、実際に「話せる英会話」の習得の仕方を広めたいと思い、VoiceTubeが生まれました。
近年インターネットが普及しているおかげで、新しい知識や新しいスキルを習得することは、容易になりました。
オンライン学習には時間や場所を問わず、自分の興味のある領域を、自分自身で開拓していくことができるというメリットがあると思います。さらに、英語も習得すれば、世界中の専門家から学ぶこともできるようになり、様々な知識スキルが複合的に絡み合って、新たな仕事やビジネスチャンスが生まれるのではないかと思います。
森 健志郎氏(以下、森氏):私は前職のリクルートで社会人2年目の終わりに「eラーニング研修」を受けた経験が、起業アイデアのきっかけでした。マネジメントとロジカルシンキングという項目を受講した記憶があるのですが、講師のおじさんがカメラ目線で語ってくるだけの内容で、すごくつまらなく感じて…。
本当はもっといいものをつくれるはずなのに、どうしてこんなものをつくるんだ?という疑問を持ちましたね。そして、次の日の朝にこのテーマで会社をつくろうと思い、そのまま退職届を出しました(笑)
現在経営している「Schoo」には、「School」の最後の文字がないのですが、これには「学びの終わりをなくしたい」という意味が込められています。弊社のミッションは、「世の中から卒業をなくす」ということです。「全ての人たちが学校を卒業しても、学び続けられる世界を作りたい」と思い、創業しました。
オンライン学習の価値といえば、この間GoogleでExcelのある関数について調べてたんですが、今まで手動でやっていたことが、あっという間に自動化できて、あまりの便利さにすごく感動したんです。
自分で学んで、実際にやってみて、それが上手くいった時ってすごく気分良いんですよね。「自分すごい!」と自己肯定感も高まりますし。
どんなに小さなことでも新しいことを学び、それを上手に使うことができるとキャリアに繋がります。また、その日前向きに仕事をできるというだけでも、人生の一分一秒が良いものになっていくと思っています。
場所や時間を選ばないオンライン学習の良さ
木村:なるほど。仕事上の目的に向けての学習以外に、新しいことを自ら学んでいくというその行動自体が価値があるということですね。これまでは参考書を使って学ぶことが多かったですが、今はこれだけテクノロジーが普及して学び方が変わってきたかと思うのですが、オンライン学習ならではの強みとは何でしょうか?
サイ氏:経営者の目線で話せば、オフラインでクラスを開くとなると、企業側は経済効果を計算しなければいけません。場所代などがかかってしまうため、ちょっとした内容では簡単にクラスを開くことが出来ないんです。
しかしオンラインであれば、企業側もコストを削減することができ、コース編成を容易にすることもできるため、よりユニークなコンテンツが提供可能です。また、ユーザー側も授業を低価格で気軽に受けることができます。
例えば、さきほど森さんかおっしゃられていたような、エクセルの簡単なファンクションの知識を提供する内容の場合、費用対効果が低いためオフラインで授業を実現することは難しい。でもオンラインなら、そうした初歩的な内容でもコースやカリキュラムのコンテンツをユーザーに届けられます。さらにスキルフルな分野に特化することもできるでしょう。
人は自ら興味を持った分野を学ぶことが、最も高い学習効果を生むはずです。そのため、選択肢が広く、気軽にチャレンジできるオンライン学習は、非常に理にかなった効率的な学習スタイルだと言えます。
「Progate」代表取締役 加藤 將倫氏
加藤氏:「場所や時間を選ばない」という点は、すごく大きいですよね。
社会人になってしまうと、やっぱり忙しいじゃないですか。毎日仕事終わってからスクールに通うのって大変だと思うんです。また、毎月何万も何十万円もレッスン代にかかってしまいます。
にも関わらず、いきなりコミットできるかといえば、多くの場合はそうではない。
サイさんも言ってましたが、オンラインサービスであれば運営側は場所を選ばずに提供できるため、一人当たりの単価を安くすることができます。また、ユーザーも低価格で気軽に試すことができ、双方にメリットがあるんです。
森氏:ちょっと質問してみたいんですけど、みなさん、今隣に座っている人と今日この後連絡先交換しますか?
多分交換しないですよね。そうすると、隣の人が今日のイベントに対して何を感じたかというのは、知りようがありません。
でも、オンラインだったら「Twitterフォローしようかな」とか、「思っていることを発信してみようかな」って、不思議と敷居がぐんと下がると思うんです。これがオンラインでの学びの良さだと思っています。
オフラインのクラスのように、先生の発言に依存するのではなく、ユーザー同士が繋がり合ったりコミュニケーションを取ったりすることで、新たなコミュニティが生まれ、学習の継続性や効果、価値も向上します。
一回の行動が大きな価値に変わっていきやすくなる、価値が拡大されやすくなる、私はこれがオンライン学習の本質的な良さだと思っています。
木村:確かに、ぱっと見ではリアルの方が距離感が近くて、オンラインの方が距離感が遠く見えますが、実はオンラインだからこそ繋がりやすいというのはあるかもしれませんね。オンラインサービスを使ったユーザーの、良いフィードバックやサクセスストーリーなどがあれば教えてください。
「Schoo」CEO 森 健志郎氏
森氏:弊社のサービスで、マイページにTwitterアカウントを登録していた東北の隣接した県境に住んでいる2人が、SNS上で繋がり、近場のカフェで会った時に意気投合して、その後会社を作ってしまったということがあります。
また、名古屋に住んでいた高校3年生がたまたま宇宙ビジネスの生放送授業を受けたのですが、その時に「絶対NASAかJAXAに入って宇宙の開発をしたい」と、ものすごい衝撃を受けたようで、高校3年生の夏から猛勉強し、東京大学の工学部に入った学生がいます。
学べなかったことが学べる環境、出会えなかった人たちが出会える環境を生み出すのが、「終わらない学校」「学び続けられる学校」としての私たちのサービスの価値でもあると感じています。
彼のケースはまさにそれを体現したものでした。
加藤氏:いろいろあるんですが、小学校の教員の方の事例でいうと、2020年から学校でプログラミングが必修科されるため、その方は「小学校で教えなくてはいけない」というプレッシャーがあったようで、Progateでプログラミングを学び始めました。
あ、ちなみにその人、最初はSchooさんで学んだと言ってました(笑)。
──会場(笑)
加藤氏:Schooさんで学んだ後に、復習のような感じでProgateで学び始めたのですが、学ぶ過程でプログラミングの楽しさに気づいて、今はエンジニアに転向して活躍しているんです。
サイ氏:台湾では、特にTOEICのリスニングで悩んでいた人が多くいました。
学校の教科書で学ぶ英語では、リーディング力やライティング力を培うことはできても、実際の「英会話」で必要な、リスニングやスピーキングを学ぶ機会が少ない。
また、学校の先生の英語は聞き取れても、TOEICでは数カ国のアクセントのネイティブ講師が問題を読み上げるため、「アクセントが聞き慣れない」「速くて聞き取れない」などの理由から、リスニングが苦手だという人が後を絶ちません。
しかし、弊社のサービスのユーザーには「VoiceTubeを使ってからリスニングのスコアが飛躍的に伸びた」というフィードバックをくれるユーザーが多く、また、中には「TOEICのリスニングスコアが300点伸びた」という方もいます。
その人は元々スコアが低かったというのももちろんありますが(笑)
森氏:そしたら私でも300点上がりますかね?(笑)
サイ氏:ぜひ試してみてください(笑)
あとは300日以上連続ログインしているユーザーなどもいて、そういった他のユーザーの存在が励みとなり、何かを学ぶ上で一番難しい「モチベーションの維持」や「継続」に対し、 確実に効果を生み出すことができています。
VoiceTubeではユーザー同士のコミュニティを積極的につくっているのですが、それらの記録を閲覧することで、刺激し合ったり励まし合っているのも、モチベーションを保つための1つの大きな要因になっていると思われます。
グローバル化に伴う、日本人の英語力向上の必要性
木村:オンライン学習は単純にスキルを学ぶだけではなく、出会いも生んでいるのですね。オンライン学習といえば、人気学習の1つに英語学習がありますが、今後グローバル化が進む中で、英語学習が持つ可能性とは何でしょうか。
加藤氏:日本人は、世界でも有数の「英語ができない国」だと思います。
例えばエンジニアって、本来世界中で足りてないので、世界中で雇用があるんです。ヨーロッパでもアフリカのエンジニアを採用したり、アメリカでもインドのエンジニアを採用していて、彼らからしたら信じられないくらいの給料をもらえています。
日本のエンジニアの給料は、アメリカに比べたらすごく低いです。同じ実力でも、英語ができるかできないかで、給料が倍になったりするんです。それはすごくもったいないなと思ってます。
逆にサービスを提供する側としては、日本人が英語ができないことで、ローカライズされたビジネスが成り立つ部分もあるので、市場が言葉の壁によって守られている点は有り難いことでもあるんです。
なのでVoiceTubeさんが日本に上陸して、日本人がみんな英語ができるようになってしまったらと思うと、今からヒヤヒヤしています(笑)
サイ氏:加藤さんがおっしゃったように、技術やテクノロジー、科学の領域となると、多くの文献が英語で書かれたり、アメリカで出版されていることが多いです。つまり、英語ができることによって、より早く情報に到達できるという利点があります。
また、言葉の壁があることによって、海外の企業が日本に浸透できなかったり、海外で出版されている本も、最低でも1〜2年待たないと翻訳されなかったりすることがあります。せっかくの最新情報も、そのスパンでは古い情報になってしまうんです。
英語ができることで周りと自分の差を縮められ、競争に強くなることができます。また、効率的にクリエイティブなリソースに近くことができ、目標に到達しやすくなります。
木村:情報へのアクセスというのは、実は多くの日本人が気づいていない盲点かもしれませんね。森さんはいかがでしょうか?
森氏:33年生きてきましたが、中学1年生の最初の英語のテストで7点を取って以来、まさか英語についてお話する機会をいただける日が来るとは…。
──会場(笑)
森氏:これはもう、結論は分かってます。「かっこいい」です。英語はかっこいい!
さっき、サイさんと加藤さんが、控え室で英語でめっちゃ喋ってたんですよ。2人とも英語ペラペラなんですよ。ずっと2人は英語で喋ってたんですけど、私は会話の輪の中に入れなかったので、1人で隅っこの方にいたんですけど(笑)。
でもこの「かっこいい」ってすごく大切なんですよ。
だって良い車に乗ってる人や英語喋れる人の方が、やっぱりかっこいいじゃないですか(笑)。
今はまだプログラミングができる人に対してかっこいいって思っている人って一部だと思うんです。
でも、来年からプログラミング学習が必修科されることによって、世間が「プログラミングができる人がかっこいい」という流れになったら、「日本にITの技術者を増やしていこう」とか、「日本の生産性をITによって上げていこう」という流れになっていくと思うんですよね。
孤独化せずに、日常に学習を落とし込むための秘策とは
木村:なるほど。「かっこいい」と興味を持たせるベースをまず作ってあげることが大切ということですね。その基盤作りにも繋がって来ることなのですが、サービス提供者として、オンライン学習を継続するために意識していることは何ですか?
サイ氏:学び続けるために必要なことは、企業側が「ユーザーが何に興味を持っていて、どのような領域に強いのか」を把握し、日常の中で、個人的な興味と結びつけるということが、大切です。
さらにVoiceTubeでは、20段階にレベル分けをしており、1つのレベルに到達したら、そこにプラス1の要素を足すという仕組みで、少しずつ上達してもらうということを重視しているのですが、もう1つ大切なことは、学習者側が欲張らないことだと思います。
ものすごく高い志を持っていたとしても、到達できないことによって、フラストレーションが溜まってしまい、挫折してしまうからです。
加藤氏:あとは、実際に始めてみて、ある程度自分がベストだと思うところまでやってしまったら、次は目標が必要になってきますよね。
オンライン学習を継続するには、企業側が、ユーザーが学習に対して挫折・脱線してしまう要因をなくすこと、ユーザー個人が努力できる仕組みを提供することの2つが重要だと思います。
森氏:サイさんと加藤さんの意見に加えて、私が重要だと思うのは「友達を作ること」ですね。
みなさんが学生の時に、もし学校に友達がいなかったら、その学生生活を続けられましたか?
学校に通うことや勉強することって面倒くさいですが、友達に会えるから頑張って通ったり、学びを続けることができたと思うんです。
共に学ぶ仲間のような存在こそが、継続に繋がるコツだと思います。
加藤氏:先ほどVoiceTubeさんの“励みになるユーザーの存在”という話がありましたが、自分にとってロールモデルのような憧れを持てる存在だったり、刺激し合えるライバルといった人が近くにいると、一段と成長速度も早いと思います。
冒頭でお話したProgate創業前に受託した開発案件に取り組んでいた際、体力的にも精神的にもすごくキツかったんですね。でも隣の席で共同創業者が頑張っている姿を目の当たりにして、「自分も頑張ろう」と、すごく勇気をもらえたんです。
そんな日もあれば、結果を出し続けている彼を見て、「あ、やばい、俺いま価値出せてない!」という焦りみたいな感情が湧いてくる日もあります。でもだからこそ、今まで共に切磋琢磨してくることができました。
そういう意味では目標や刺激を与えてくれる存在が、学習者の成長に大きく関係すると思います。
森氏:学びとかキャリアって、人と人との相対論みたいな話で、もし私たちが欲しいものを全て与えられていたら、おそらく何も学ばないのではないかと思うんです。
今私たちが多くの人たちの中で生きている上で、人と比較する機会があるからこそ「もっと年収を上げたい」とか「スキルを伸ばしたい」という野心が生まれるのではないでしょうか。
学ぶ上で、人との接点は切り離せないポイントだと思います。
未知の可能性を秘めたオンライン学習市場
木村:学びは相対性。パワーワードですね。確かに、僕もVoiceTubeを先日から使わせていただいているのですが、「スピーキングチャレンジ」というチャレンジで、他者と比較することによって、いつも刺激をもらってます。
リアルで共通の目標を持って刺激し合える仲間を見つけることは難しいですが、オンラインだとそういった仲間に出会いやすいというのはあるかもしれませんね。
今後のオンライン学習の未来はどうなっていくと思いますか?
加藤氏 :たくさんの人にリーチできるということ、それ以外にもオンラインだからこそできた、ということは少なからずあると思います。
元々ビジネス専攻だったにも関わらず、弊社のサービスをアフリカから利用して大手企業に入社した人がいるのですが、これってオフラインだと距離的にも難しかったと思うんですよね。
誰でも気軽に試せる、というところにオンライン学習の強みや意義があると思います。そういった人々が最初の一歩を踏み出せるサービスが、今後増えていったら良いなと思います。
森氏:近年、AmazonやGoogleなど、それぞれの分野においてリードしている会社が、ある程度形や仕組みを作ってしまっており、他社はそれに沿ってサービスを整えていかないといけません。
しかし、学習や教育のマーケットにおいては、それらの会社に匹敵するほどの影響力のある会社が現れていません。ということは、日本のスタートアップが試行錯誤して築いた仕組みが、今後新しい未来になっていくかもしれないんです。
今後いずれかの会社が、世界の学びにおけるGoogleとかAmazonのような存在になっていくかもしれません。そういった可能性をすごく秘めているマーケットだと思っています。
サイ氏:近年、2つの異なる分野を融合させることがトレンドとなっています。
例えば、オンライン学習で人気なプログラミングやマーケティングを学んだ後に、この2つを融合させて新しいビジネスに展開することも可能です。
2つや3つのスキルを習得し、それらを融合させることによって自分たちのスキルセットの幅が広がります。
オンライン学習の将来は、よりユーザー個人に合ったものにカスタマイズされていくのではないでしょうか。そして、一人ひとりがオンライン学習によって、理想の自分にカスタマイズして行ける未来を築けるよう、私たちも日々精進していきたいと思っています。
オンライン学習が身近となった今、オフラインで学ぶことに身構えていたという人でも、場所と時間を問わず、気軽に学習をすることができるようになった。
またオンライン学習は、自分の向き不向きがわからないという人でも、最初の一歩を気軽に踏み出すことも可能にしている。小さな勇気やきっかけが、未来のキャリアを大きく変えることに繋がるかもしれない。
自分自身でもまだ気づいていない才能や、未知なる可能性を秘めた未来に出会うべく、今回登場したオンライン学習サービスを活用して小さな一歩を踏み出してみてはいかがだろうか。
取材・文:Sayah
編集:花岡 郁
写真:西村 克也
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