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総合人材サービス、パーソルグループのシンクタンク・コンサルティングファームであるパーソル総合研究所は2019年10月3日、「就業負担に関する定量調査」の結果を発表した。
この調査は、働き方改革が進む一方で、中間管理職の負担感が増していることを受け、企業経営に資する定量的なデータを提供することを目的に実施した。
なお、調査の対象とした「中間管理職」は、現場に一番近いファーストライン(第一階層)の管理職となる。
今回の主なトピックは3つ。
- 働き方改革による労働時間の削減で、中間管理職に負担がしわ寄せ
- 労働時間に上限を設けるだけでなく、働き方全般の抜本的改善が求められる
- 人事は中間管理職の業務量や権限を洗い出し、役割にメリハリをつけよ
働き方改革が進んでいる企業群の方が中間管理職の負担感は増している
昨年2018年から働き方改革が進んでいる企業群と進んでいない企業群を比較すると、働き方改革が進んでいる企業群の方が中間管理職の負担感は増している。
働き方改革が進んでいる企業群では、中間管理職自らの業務量が増加したとの回答割合が62.1%(進んでいない企業群では48.2%。全企業の平均52.5%)。
また、働き方改革が進んでいる企業群では組織の業務量の増加は69.0%(進んでいない企業群では36.3%)、人手不足は65.7%(同44.2%)、時間不足から付加価値を生む業務に着手できないは56.9%(同42.3%)となった。
中間管理職本人が課題と感じているのは人手不足
中間管理職本人が課題と感じている割合が高かったのは、1位=人手不足(57.5%)、2位=後任者不足(56.2%)、3位=自身の業務量の増加(52.5%)。
一方、中間管理職が抱えている課題だと人事が考える割合が高かったのは、1位=働き方改革への対応の増加(52.0%)、2位=ハラスメントの対応の増加(42.7%)、3位=コンプライアンスの対応の増加(38.7%)。
中間管理職本人は、人材や時間の不足を感じているが人事の意識は法やリスクへの対応に偏っている。
負担の高さに比例して出てくるさまざまな問題
中間管理職を負担感の高さに応じて「高群」「中群」「低群」に分けると、「高群」ではさまざま問題を抱えている。
高群は「残業が増えた」が47.7%(低群は40.2%)、「仕事の意欲が低下した」が23.8%(同18.6%)、「転職したい」が27.0%(同20.0%)、「学びの時間が確保できていない」が63.0%(同41.1%)、「時間不足から付加価値を生む業務に着手できない」が64.7%(同38.7%)。
※調査概要
・調査名称:パーソル総合研究所「中間管理職の就業負担に関する定量調査」
・調査内容:「中間管理職調査」管理職自身の就業実態と負担感、その意義
「企業調査」自社の中間管理職に対する課題感と支援の実態
・調査手法:調査会社モニターを用いたインターネット定量調査
・調査時期:「企業調査」 2019年 2月-2月8日
「管理職調査」 2019年 3月20日-3月21日
・調査対象者:「中間管理職調査」
全国・企業規模50人以上の管理職(第1階層の管理職)
n=2000
「企業調査」
全国・企業規模50人以上の企業の人事部に所属する従業員
n=300 (※)企業設立年数5年未満を除外
<参照元>
「パーソル総合研究所、中間管理職の負担の実態を調査で明らかに 働き方改革進む企業で負担増す中間管理職。62.1%が自らの業務量増加と回答」
パーソル総合研究所