戦略トレーディングカードゲーム『Magic: The Gathering(マジック:ザ・ギャザリング)』を製造・販売するウィザーズ・オブ・ザ・コーストは2019年9月27日より、デジタルトレーディングカードゲーム(DCG)『マジック:ザ・ギャザリング(※) アリーナ(MTG アリーナ)』を、正式ローンチしたと発表した。

(※)1993年にアメリカで発売された世界初のトレーディングカードゲーム。数学者のリチャード・ガーフィールド氏によって生み出され、現在では11の言語で翻訳、全世界で70以上の国と地域で2,000万人を超えるファンとプレイヤーを有している。

なお、現在はWindows PCのみの動作となっているが、今冬以降には「Epic Games ストア」での配信、そしてmacOS 版のリリースを順次予定しているという。

「MTG アリーナ」の概要

eスポーツタイトルとしてデビューした「ミシックインビテーショナル」は、『MTGアリーナ』で開催される初の大規模な賞金制大会として、2019年3月28日~31日にアメリカのボストンで開催された。

2019年2月の『MTG アリーナ」内ランキングで上位に入ったプレイヤーなど、合計64名の招待選手が総額1,000,000ドルの賞金と名誉を競った。マジック・プロリーグに所属するプロであるアンドレア・メングッチ選手(イタリア)が優勝し、賞金250,000ドル(約 28,000,000円を獲得し、イベントはTwitchを通して世界に向けて発信された。

4日間Twitchにおけるマジックカテゴリー視聴者数は合計81,000,000人、マジック公式チャンネルにおける同時視聴者数は最大157,000人となり、マジック史上最大のイベントとなった。

その後も2019年を通して、『MTG アリーナ』で賞金総750,000ドルの世界大会「ミシックチャンピオンシップ」が開催され、eスポーツとして注目を浴び、配信で全世界の視聴者を楽しませた。ミシックチャンピオンシップは、2019年内で10月12月にも開催予定である。

2020-21年シーズンは、総額10,000,000 ドルを超える賞金とプレイヤーサポートを提供

  • テーブルトップ(実物のカードを使った卓上プレイ)について
  • 各種予選イベントの突破などにより世界規模の大会「プレイヤーズツアー」への参加が可能になる。

    プレイヤーズツアー(アメリカ) :約500名規模、賞金総額250,000 ドル(約27,000,000円)

    プレイヤーズツアー(ヨーロッパ):約400名規模、賞金総額200,000 ドル(約 21,000,000円)

    プレイヤーズツアー(アジア):約250名規模、賞金総額150,000 ドル(約16,000,000円)

    これらの成績上位者を、約120名で賞金総額250,000ドル(約27,000,000円)を争う「プレイヤーズツアーファイナル」へと招待する。

  • PC ゲーム『MTG アリーナ』での競技について
  • 賞金総額750,000ドル(約80,000,000円)のイベント「ミシックインビテーショナル」が年3回開催され、プロリーグ所属選手のほか、予選イベントの突破者らを招待する。

    この予選については各シーズン終了時のゲーム内ランキングにて 1,200 位以内に入ることで参加可能で、これから始めるプレイヤーにも十分に参加のチャンスがある。実際に 2019年の6月には、2019年2月の日本語版リリースからはじめた日本人プレイヤーが、みごと予選を勝ちぬき世界大会に挑戦した。

  • 競技マジックの頂点「世界選手権」の開催
  • プレイヤーズツアーファイナル、そしてミシックインビテーショナルそれぞれのイベントで優勝することにより、競技マジックの頂点である「世界選手権」へと招待される。

  • プロシーンに育成リーグ「ライバルズ・リーグ」を新設
  • 2020年シーズンからは「マジック・プロリーグ(MPL)」所属への登竜門となる新リーグ「ライバルズ・リーグ(ライバルズ)」の発足を発表した。MPL 選手は現在の32名から24名まで絞られるとともに、ライバルズには、合計46名が参加予定。

    ライバルズ所属選手にはそれぞれのイベント賞金のほか、参加褒賞として最大20,000ドル(約210,000円)が与えられる予定である。

    ライバルズの発足に伴い、MPL昇格戦そしてライバルズ降格戦でもある「MPLガントレット」を実施する。各シーズンの終わりに行われるこのイベントで上位4名に入ることにより、プロ活動の頂点とも言えるMPLに所属が可能。2020年以降のシーズンではより緊張感のある戦いが繰り広げられることになる。

※文中におけるドル/円レートは、2019年8月20日のもの