マーケティングリサーチ会社アスマーク(旧マーシュ)は、全国の20代~60代男女のうちスマホ決済を利用したことがない人、過去利用していたが現在利用していない人を対象に「スマホ決済に関する意識調査<第二回>」を実施、2019年9月18日にその結果を発表した。

主なトピックは4つ。

  • スマホ決済3人に2人が非利用・非認知
  • 高還元キャンペーンきっかけで利用を始めるも『セキュリティ不安』でやめる
  • 8割以上がセキュリティ不安のイメージあり。信頼できるサービス提供者は『銀行』
  • 『日常的なお得サービス』『不正利用被害の補償サービス』あればスマホ決済利用してみたい

約3人に2人がスマホ決済を利用していない

スマホ決済を利用していない人の割合は全体で69.6%となり、約3人に2人が利用していないことがわかった。利用していない人の内訳を見ると、離脱者は6.9%、未経験者は53.8%、非認知者は8.9%だった。

未経験者と非認知者を合わせると62.7%となり、6割以上がスマホ決済を未だ一度も利用したことがないことがわかった。同社ではスマートフォンの普及率からすると、スマホ決済利用者の増加にはまだ伸びしろがあるとみている

非利用者の属性をみると、男性よりも女性の方が利用していない割合が高く、年代は上がるにつれて利用していない割合が高くなることがわかった。

スマホ決済を利用しない理由は「セキュリティに不安」

離脱者、未経験者にそれぞれスマホ決済を利用しない理由を聞いたところ、いずれもトップは「セキュリティに不安を覚えたから」となった。

離脱者は、次点で「チャージが面倒」(24.8%)、「アプリ起動が面倒」(24.4%)、「携帯をなくしたときのリスクが怖い」(24.0%)、「お得なキャンペーンが実施されていない」(19.0%)と続いた。セキュリティへの不安以外にも、利用都度の煩わしさや、不便さなどを理由に利用をやめている実態が明らかになった。

未経験者は、次点で「使い方がよくわからない」(32.0%)、「携帯をなくしたときのリスクが怖い」(31.4%)、「アプリ起動が面倒」(31.2%)、「利用手続きが面倒」(26.6%)と続いた。よくわからないスマホ決済に対する戸惑いや不安感が見て取れる。

離脱者に、以前利用していたスマホ決済の、利用を始めた理由を聞いたところ「還元率の高いキャンペーンをやっていたから」(20.8%)がトップであることがわかった。キャンペーンをきっかけに利用を始めるも、一連のセキュリティ不安をあおる出来事もあってか、セキュリティへの不安や、日々の手間や煩わしさ面倒さ、使えるお店の少なさなどを理由に利用をやめている実態が見て取れる。

9割弱が「セキュリティに不安がある」

スマホ決済のイメージを聞いたところ、「セキュリティに不安がある」(87.5%)、「サービスが乱立してどれを使うべきかよくわからない」(86.7%)が、8割を超える結果となった。

それ以外には「使いこなすには知識が必要」(76.4%)、「サービスの持続性に不安」(74.9%)という不安感や、「キャンペーン期間以外に日常的に使うメリットがわからない」(72.0%)といった日常的なお得感が感じられないという声も挙がった。

信頼できるサービス提供者は『銀行(ゆうちょペイ等)』

スマホ決済のサービス提供者について、どの提供者であれば信頼できるかを聞いたところ、離脱者、未経験者ともにトップは「銀行(ゆうちょペイ、みずほWalletなど)」(59.4%)という結果になった。

スマホ決済に対して『不安』や『怖さ』を感じている非利用者にとって、もともとお金を預かる立場である銀行系が提供するスマホ決済サービスは、信頼できると感じられるようだ。

スマホ決済に欲しいのは “安心・安全”機能

スマホ決済非利用者に対し、なにがあればスマホ決済を利用するかを聞いたところ、「日常的にお得に買い物できるサービス」(21.3%)がもっとも高く、次点で「万一の不正利用被害を補償するサービス」(20.3%)が続いた。

特に未経験者においては、「万一の不正利用被害を補償するサービス」(22.6%)が「日常的にお得に買い物できるサービス」(18.4%)を上回る結果となった。

スマホ決済非利用者にとっては、「スマホ決済に対する不安」を払しょくしてくれる、安心・安全なサービスであるかが、スマホ決済利用に際しての重要なポイントであることがわかった。

また、ポイント還元キャンペーンなどのお得サービスについては、「還元率が高いキャンペーンの実施」が10.6%なのに対し、「日常的に買い物がお得にできるサービスの提供」が21.3%と10ポイント以上高い結果となりました。一時的な高還元キャンペーンより、“日常的なお得”が、選ばれるポイントになると言えそうだ。

スマホ決済非利用者に対し、スマホ決済に搭載して欲しい機能・特徴を聞いたところ、「不正利用防止機能」(62.4%)がもっとも高く、次点で「不正利用被害の補償サービス」(53.1%)、「還元率は高くないが日常的にお得な特典がある」(35.2%)と続いた。「ポイント還元、キャッシュバックキャンペーン」などの“お得サービス”を抑え、“安心につながるサービス”が上位となる結果になった。

“お得サービス”についてみると、「還元率の高いポイント還元やキャッシュバックキャンペーンを実施」(23.2%)よりも、「還元率は高くないが日常的なキャッシュバックキャンペーンを提供」(35.2%)が上回る結果となりました。『還元率の高さ』より『日常的なお得さ』に引きがあることがわかった。


※調査概要
■調査名:スマホ決済に関する意識調査<第二回>
■調査対象者:全国20~60代男女 スマホ決済を知っていて過去利用したことがあるが現在利用していない人/スマホ決済を知っているが利用したことがない人
■有効回答数:スクリーニング調査10,000ss、本調査1,000ss
割付:離脱者500ss(性年代各50ssずつ)/未経験者500ss(性年代各50ssずつ)
■調査期間:2019年8月9日~ 8月12日
■調査方法:インターネット調査
■調査機関:アスマーク(旧マーシュ)

<参照元>
「乱立する”Pay” 利用の鍵は「安心・安全」「補償」 調査で鮮明に~スマホ決済に関する意識調査<第二回>~」
アスマーク