アイティクラウドは2019年8月2日、バーチャレクス・コンサルティングと合同で実施したカスタマーサクセスに関する実態調査の第四弾の結果を発表した。

今回は調査の調査対象全体と、その中でカスタマーサクセスに取り組みすでに「効果を感じている」との回答者にどのような意識の違いがあったかについて分析している。その結果、「ヘルススコア」の各項目への認識や、顧客の声を収集することに対する重視度に大きく差が出ていたことが明らかとなった。

主なトピックは3つ。

  • カスタマーサクセスの効果を実感中企業、ヘルススコアで重視する上位3位に「顧客の声」
  • 顧客の声を集める上でのもっとも大きな課題は、「一部の声しか集まらない」
  • カスタマーサクセスへの期待や重要度は高まるばかり

数多くのヘルススコアをチェックすることが成功要因

まず、カスタマーサクセスに取り組むに当たり、顧客の状況をつかむために利用される「ヘルススコア」の代表的な項目について全体に聞いたところ、「非常に重要」だと感じられている項目は、1位「製品・サービス利用頻度」(20.9%)、2位「製品定着率」(20.8%)、3位「顧客の声(ユーザーレビュー、アンケート、満足度調査、NPS等)」(19.3%)となった。

一方、カスタマーサクセスに取り組む人のうち、その取り組みに「効果を感じている」と回答した人に絞った回答を見ると、上記12項目のほとんどにおいて、「非常に重要」だと感じている割合が約2倍に高まっていた。

これは言い換えると、顧客の状況をしっかりと把握しようとしている企業ほどヘルススコアの構成要素が多岐にわたっており、数多くのヘルススコアをチェックすることがカスタマーサクセスの成功要因となっているともいえる。

顧客の声の収集の課題感が高まる

次に、ヘルススコアの指標の中でいずれも3位にランクインした「顧客の声」において、カスタマーサクセス実践中企業に課題や悩みを聞いたところ「非常に重要と感じる」と回答された項目は、多い順に「自社製品/サービス利用者のうち、一部の利用者の声しか集まらない」(45.3%)、「取引先企業のうち、一部の企業の声しか集まらない」(30.1%)、「解約を事前に防げるような、ご意見・ご指摘などの声が集まらない」(25.8%)と続いた。

同様にカスタマーサクセスの取り組みに「効果を感じている」と回答した方に絞った回答を見ると、上位3項目の順位は変わらないものの、各課題への該当率が増加しており、顧客の声の収集における課題感が高まっている状況が見て取れた。

また、「特にお客さまの声は集めていない」の項目も18.0%から3.9%にまで下がり最下位となり、効果を感じている企業では、そもそも顧客の声を集めていないケースが少ないことが明らかとなった。

今後ますますカスタマーサクセスへの期待感や重要度が高まる

以降は「『カスタマーサクセス』の考え方を広げていきたい」(62.1%)、「『カスタマーサクセス』の重要度が上がり続ける」(56.4%)、「『カスタマーサクセス』に取り組む人が今後増え続ける」(54.0%)、「『カスタマーサクセス』の業務が、営業と同じくらい論理的かつ欠かせないものとなる」(52.7%)など多くの項目で5割を超え、今後ますますカスタマーサクセスへの期待感や重要度が高まっていくと多くの方が捉えられている点が明らかになった。

中でも「『カスタマーサクセス』の考え方を広げていきたい」が6割を超えた点については、時代の流れや顧客のニーズに伴い、これまでの営業という概念だけでなく新たな提供価値が必要といった課題感の中から、「カスタマーサクセスが必要」という答えを知り、多くの企業がその解に納得した結果と言えるかもしれないと同社では見解を示している。


※調査概要
・調査方法  :インターネットアンケート
・調査実施期間:2019年3月20日~2019年3月21日
・対象地域  :全国
・対象者   :20歳から65歳の有職者(パート・アルバイト、専業主婦・主夫、学生を除く)1,000人

<参照元>
「カスタマーサクセスの効果を実感中の国内企業、『ヘルススコア』で重視する項目が明らかに」
アイティクラウド