リンクトイン(LinkedIn)は2019年6月19日に「Future of Skills 2019」今、社会人が最も取得したいスキルと社内教育に関する最新リサーチを発表した。

主なトピックは3つ。

  • 4カ国とも「ソフトスキル」の重要性を認識
  • 日本のZ世代(1990年代後半~2000年生まれ)は、日本の平均と比較して、幅広いソフトスキルの取得をより積極的に求めている。
  • 日本の従業員は他国に比べて社内教育プログラムに不満を持っている人が多い。

人間特有の能力が「ハードスキル」よりもニーズが高い

調査の結果、浮かび上がったのは「ソフトスキル」の重要性である。創造性やコミュニケーションなど、AIやビッグデータなどのテクノロジーでは補えない、人間特有の能力が、会計や財務などの「ハードスキル」よりもニーズが高いことが明らかになった。

4カ国共通で見られた傾向で、従業員4,136人の回答では、ソフトスキルが重要と答えた従業員は全体の59%。社内の人材開発担当者も、57%がソフトスキルに価値を置くとしている。

ソフトスキルの重要性を挙げた理由は、従業員の47%が「AIに負けない人間的なスキルが必要だから」を選択。44%が「今後も続くテクノロジーの変化で最後に残るのは高い思考力」43%が「キャリアを継続していく上で重要だから」と回答している。

特に日本は各国と比較してもこの傾向がもっとも強く出ており、ソフトスキルの重要性を4カ国の中でもっとも認識しているといえる。

日本人特有の「和」を重んじる性質が反映された結果に

一方、日本での調査結果からは、固有の事情も見えてきた。従業員が将来に向けて重要と考えているスキルは、「コミュニケーション」(42%)と「コラボレーション(連携)」(42%)だった。

他国ではトップ3位にはいっている「創造的思考力」は、「柔軟性」(37%)、「業界専門知識」(37%)に続く5番目となっている。また、日本でもっとも重要とされる「コラボレーション(連携)」は他国では6番目以下と、ソフトスキルの中でも、日本人特有の「和」を重んじる性質が反映された結果となった。

日本の従業員は社内教育プログラムに不満

他方、企業が提供している社内教育のプログラムについては、他国と比較して日本の従業員が不満を持っていることがわかった。「社内教育が時代の変化に対応しているか」との問いに対して、「対応している」と回答した従業員は57%と、4カ国中もっとも少ない結果に終わった。

もっとも高かったインドでは86%が「対応している」と回答した。

同様に、「社内教育の機会に恵まれているか」との問いには、日本は71%が「そう感じている」と回答したものの、4カ国で最下位だった。


※調査概要
調査タイトル:リンクトイン 「Future of Skills 2019」今、社会人が最も取得したいスキルに関する調査
調査主体: リンクトイン(ACA Researchに委託)
調査対象: アジア太平洋全域の従業員と社内教育担当者たち合計4,136名の従業員と844名の社内教育担当者
調査期間: 2019年3月13日~4月15日

<出典元>
「リンクトイン 「Future of Skills 2019」 今、社会人が最も取得したいスキルとは?」
リンクトイン