JR東日本グループは2019年6月18日、駅において利用者からのさまざまな質問に答える案内AIシステム(フェーズ1)の構築を目的に2018年12月7日から2019年3月15日まで、首都圏の6駅などにて実証実験を実施したと発表した。

そして、このたび、「案内AIみんなで育てようプロジェクト(フェーズ2)」共同実証実験として、課題への対応策を講じ、さらなる実用化に向けた共同実証実験を行う。

洗い出された課題を検討

前回の実証実験では山手線内の複数のターミナル駅を中心に、駅構内および商業施設(エキナカ・ホテルなど)に案内ロボットやサイネージ等を設置し利用者からの質問に答えてきた。「新たな FAQ 蓄積による回答率向上」や「各設置箇所における質問傾向の把握」などが成果として得られたが、一方で以下のような課題があることもわかった。

  1. AIによる利用者案内実証実験を行っていることの認知不足
  2. 周囲の目が気になり、話し掛けるのが恥ずかしい
  3. 多言語案内対応が十分ではなかった
  4. 「乗換案内」「駅周辺案内」や「飲食店情報」など個別具体的な質問について対応が十分ではなかった

そして、これら課題に対する対応策として以下をあげている。

  • 案内AIシステムの存在認知度向上

    今回は一部の案内AIシステムを駅周辺地図等の付近に設置し、一元的に情報が得られるような取り組みを行う。
  • 周囲の目を気にせずに利用できる環境整備

    一部参加メーカーが、ディスプレイ小型化や受話器型ディスプレイの変更などに取り組む。

多言語対応や外部情報サービスと連携

そして、今回、「案内AIみんなで育てようプロジェクト(フェーズ2)」共同実証実験として、課題への対応策を講じ、さらなる実用化に向けた共同実証実験を行う。

  • 多言語案内への対応

    今回は、日本語・英語・中国語・韓国語の4カ国語対応を基本設定とする。※ただし、一部案内AIシステムは、4カ国語対応ではないものもある。
  • 必要情報の提供に向けた外部情報サービスとの連携

    「乗換案内」「駅周辺案内」や「飲食店情報」などの情報について、既存の外部情報サービスと連携することにより、利用者が満足できる案内を行えるか検証する。

実施期間は2019年8月5日~2019年11月10日。場所は東京駅、浜松町駅、品川駅、新宿駅、池袋駅、上野駅、横浜駅(JR東日本 7駅)。羽田空港国際線ビル駅(東京モノレール 1駅)合計8駅など 30カ所・35台としている。