サイボウズ チームワーク総研は、今年4月から施行された有給休暇取得義務化を機に、25〜50歳のビジネスパーソン計400名を対象とした「有給休暇」に関する意識調査を行い、2019年5月23日にその結果を発表した。

調査結果の概要は、以下のとおりである。

昨年度の有給消化率、半数が「3割以下」

昨年度の有給消化率を問う質問では、約3割が「ほぼ取っていない」と答え、最も多い回答に。また、一般層とマネージャー層を比べると、マネージャー層の有給消化の状況は厳しく、約6割が「有給消化率2~3割以下」と回答。

従業員数が少ないほど、有給消化率が低い傾向に

有休消化率を会社の従業員数別に見たところ、1001人以上規模の会社では「有給消化率2~3割以下」は約4割、従業員100人以下では「ほぼ取っていない」が4割近くに達した。従業員数が少ないほど有給消化率が低いことが伺える結果となった。

従業員数1001人以上の会社では、3割以上が「以前に比べ労働時間が減った」と回答

「ここ1年の労働時間の変化の有無」という設問では、従業員数1001人以上の会社では「以前に比べ労働時間が減った」という回答が3割以上に。約半数が「変わらない」と答えた従業員数100人以下の会社に比べると、総労働時間に変化があることが伺える結果となった。

有給休暇取得義務化に8割は歓迎、理由1位は「気まずさの軽減」

有給休暇取得義務化を「歓迎する」との回答が約8割。

「歓迎する」理由は、「有給申請の際の遠慮や気まずさが軽減」「休みが増える」が上位となった。

一方「歓迎しない」理由では、「業務調整が大変」「サービス残業化しそう」が上位に。

マネージャー層では「サービス残業化しそう」、一般層では「残業代など収入が減りそう」という声が多く挙がったという。

有給消化の仕方には、理想と現実にギャップあり

有給休暇をどのように取りたいかについて「希望」と「現実」を聞いたところ、「まとめて取りたい」ところだけれど「一日や半日単位」が現実的、といった意識が伺える結果に。

今年度の有給休暇の過ごし方について「過ごしたい希望」と「現実的にはこうなりそう」というそれぞれの質問では、希望は「泊りがけ旅行」「日帰りレジャー」が上位。一方、現実は、「自宅でゴロゴロ」「たまった家事・家の用事」という回答が上位となった。

また、少数ではあるが「仕事(持ち帰り残業)」という回答は、現実が希望を上回る結果に。

さらに、この「現実」を層別で見ると、昨年度の有給消化率別では「有給をほぼ取っていない人」の「自宅でゴロゴロ」率が高く、また、有給取得義務化を「歓迎しない人」の過ごし方は「仕事(持ち帰り残業)」が高いという傾向がみられたという。

「同居の末子が小学生以下」の方では、他層に比べ「たまった家事・家の用事」が高く、「自宅でゴロゴロ」が低い結果に。有休を取得しても子どもの対応に追われるなど、自宅でゆっくりしにくい様子が伺えるとのことだ。

また、有給休暇は誰と過ごしたいかを単一回答で聞いたところ、「自分だけで」がトップであった。


<調査概要>
調査対象:25〜50歳のビジネスパーソン男女 計400名
割付:一般層 200名 / マネージャー層 200名
調査期間:2019年4月13日(土)~14日(日)
調査方法:インターネット調査

<参照元>
「現状は有給消化率30%以下が5割を占める―有給の取得義務化については8割が「歓迎」有給消化の仕方には理想と現実にギャップ」
サイボウズ