INDEX
スマートホームの現在地
スマートホームと聞くと、未来の話のように感じてしまう人は少なくない。しかし、スマートホーム化は既に現実のものとなっており、現在も様々な価値を家主へ提供している。家電を自動で制御したり、家主の一言で操作したりと、新しい体験を生み出しているのだ。
スマートホーム化は単に鍵や電気をデジタル接続するだけのものではない。IoTによるスマートホーム化は、モノの拡張ではなくそれによって実現できる生活の拡張なのである。これまでの常識を一新し、自身の生活までもがアップデートされる。それを体現したのが、2018年10月に登場したソニーのスマートホームサービスMANOMAだ。
機器とサービスが連動する“MANOMA”
MANOMAはソニーネットワークコミュニケーションズの新サービスで、従来のスマートホームサービスで提供される「セキュリティ」、「オートメーション」に「ニューライフスタイル」を加え、新たなライフスタイルを提案するサービスである。
プランによって豊富な付属機器を提供しており、Amazon Alexaを搭載した「AIホームゲートウェイ」はWi-Fi、Bluetooth®、Z-Wave Plus®に対応し、音声によるサービスコントロールを行う。内蔵スピーカーからBGMや警告音等を適切なタイミングで再生し、LTE SIMや有線LANを挿すことで簡単に自宅に無線インターネット環境を構築するなど、上質なニューライフスタイルを実現する。
外出中も室内の様子がわかる室内コミュニケーションカメラは人感センサー・スピーカー・マイク機能を搭載し、スマートフォンを用いて自宅内の様子を映像で確認しながらリアルタイムで会話ができる。暗所でもクリアにカラー撮影ができるうえに、膨大な録画データの中からセンサー反応時の録画映像を簡単に再生・確認可能で、セキュリティ機能を果たす。
プライバシーに配慮したプライバシーレンズカバーも特徴だ。在宅状況やプライバシー設定に応じてプライバシーレンズカバーを自動開閉して録画のオン・オフを切り替える。プライバシー設定は個人ごとに登録でき、登録人物が帰宅すると自動でプライバシーレンズカバーが閉まるなど、管理をオートメーション化した。室内コミュニケーションカメラ本体は室内に溶けこむ白色で、プライバシーレンズカバーも白色。録画中は黒色のレンズが見えるため、一目で切り替えを確認できる。
家族の出入りを感知するのはキーホルダー状のQrio Smart Tagだ。鍵などに付けて持ち運ぶことで、個人ごとに在宅状況を把握する。自宅内でボタンを長押しすると、家族のスマートフォンに呼び出し通知を送信。
不在時に窓などが開いたことを検知してシステムへ即通知する開閉センサーは、家のセキュリティを強化。省電力なコンパクト型で、日本に多い引き違い窓にもデバイス1組で対応する。
自宅玄関をオートロック化するQrio Lockはハンズフリー解錠可能。コンセントに直接挿すだけで設置できるQrio Hubを使うとスマートフォンから操作可能になるうえに、MANOMAやAlexaを介した解施錠ができる。締め忘れがないか音声確認して一声で施錠するなど、手が離せない人や移動が困難な人にも適している。
Qrio Smart Tag、開閉センサー、Qrio Lockの電池残量は、スマートフォンアプリで随時確認できるため、電池切れの心配もない。小さな不安を取り除き、時間・空間に縛られない安心快適な生活の実現を追求した機器が揃っているのだ。
MANOMAで得られる安心とコミュニケーション
MANOMAの機器とサービスの連携によりできることは多岐にわたる。
まず、見守り。両親の外出が多い場合も、子どもがいつ帰ってきて家でどんな風に過ごしているかをリアルタイムで確認できる。子どもがQrio Smart Tagを持ち運べば、出先の親がスマートフォンで出入りの通知を確認したうえで電話をかけたりビデオ通話したりし、不足しがちな家族内のコミュニケーションを図ることも可能だ。
ボタンひとつで連絡でき、子どもが帰ってきたタイミングで学校での出来事を聞いたり、問題がないか確認したりして心理的な安心を得られる。セキュリティ機能も豊富なため、在宅中の安全も確保できる。ボタンの長押しや、音声で「アレクサ、マノマで家族を呼んで」と呼びかけるだけで外出中の家族を呼び出すこともでき、子どもだけでなく遠方に住んでいる親など高齢者のサポートにも適している。
防犯面も強化される。全員外出すると外出を検知して自動的に警戒モードに切り替わり、警戒モード中に窓が開くと開閉センサーが感知して「警戒システムが作動しました」というアナウンスと警報が鳴る。すぐに外出中のユーザーに異常通知が届き、ボタンひとつで電話アプリを立ち上げて消防や警察へ電話をしたり、契約しているセコムを呼んだりと即時対応できる。
ただし、子どもが間違えて窓を開けた場合など誤報の可能性もあるため、異常通知が届いたらまずは室内コミュニケーションカメラの映像を確認すべきだ。自動録画されているので撮り忘れの心配はなく、さかのぼって確認することもできる。32ギガのSDカードに記録が残っており、通常2~3日分の録画ができる。ドライブレコーダー式に上書きされていくシステムだが、異常検知した場合は映像が自動でクラウド上に残され、30日間保存される。
過去の映像を確認する際は、人感センサーを活用して人物にフォーカスするためすべて見直す必要はなく、異常検知した時間帯をピンポイントで確認できる。このように、あらゆる機能がオートメーション化される点が大きなメリットだ。
また、窓の開閉センサーとQrio Lockの連携により、外からでも戸締りができるようになる。スマートフォンから窓や玄関が開いていないか確認でき、どこかが開いている場合はビックリマークが表示される。そのまま操作して施錠できるため、鍵を閉め忘れても外出先から戻ることなく対応可能だ。
単身家庭や家族の会話が減っている家庭におすすめなのが、家庭内BGMの自動再生機能だ。不在の家にだれかひとりが帰ってくると、人感センサーが帰宅を感知して自動で音楽を流す。「だれもいない家に帰ってくるとさみしい」と感じる人も、音楽を聴いてリラックスできる。音楽が出迎えてくれる体験は新しく、特別な気持ちを醸成するだろう。
一般的な音声AIはユーザーの声に反応して作動する受動的なツールだが、MANOMAは状況に応じて能動的にサービス提供するのだ。自動再生の有無は自分で設定できる。
MANOMAによるスマートホーム化で実現する生活の拡張
MANOMAでできることはこれだけではない。自分の生活に合わせてスマートホーム化することで、あらゆる外部サービスを取り入れた新しいライフスタイルが実現する。
たとえば、ベビーシッターやペットシッター、家事代行などの外注サービス利用に抵抗を感じている人の多くは、外部の人間が不在時に家に入ることに不安を抱いている。鍵の開閉もMANOMAを介して行えるうえに、室内コミュニケーションカメラで家の様子が確認できれば、こうした不安は解消できるだろう。リアルタイムでの確認のみならず、録画もできる点が安全性の確保に貢献する。必要に応じて外から連絡を取り、サービス提供者に追加の依頼や指示をすることもできる。
こうした外注サービスが普及すれば、忙しい現代人の自由時間は一気に増える。現代人にとって1時間の価値は平日で4,000円、休日だと7,000円だと言われている。いかに自分の自由時間を増やすかが未来を生き抜くビジネスパーソンの課題だ。
スマートホーム化は小さな不安を取り除き、ユーザーに合わせたサービスの自動化によって生活の質を向上させる。これまでの古い価値観にとらわれず新しい価値観を持って生活を一新することで“やらなければならいこと”をアウトソースし、“やりたいこと”に注力できるようになる。
もはやスマートホーム化は未来の話ではない。機器とサービスの連携は今後さらにアップデートされていき、生活はどんどん拡張されていくだろう。スマートホーム化により生活を拡張することで、今までにないライフスタイルを楽しみながら自分の可能性を広げられるのだ。
※Alexaの利用には、Amazonアカウントの登録と、セットアップが必要です。
※Amazon、Alexaおよび、関連するすべての商標はAmazon.com, Inc. またはその関連会社の商標です。
文・萩原かおり