各種業務システムのクラウドサービスを展開するチャオは2019年1月21日、居酒屋チェーンを展開する養老乃瀧が経営する一軒め酒場 新橋店で実施していた、AI搭載のクラウドカメラ「Ciao Camera(チャオカメラ)」を活用した年齢認証における実証実験結果を発表した。
検知率96.1%のAIが年齢を認証
同社によると、近年の未成年者による飲酒に関して営業者側の確認不足による罰則は無論のこと、一方で飲酒をきっかけに未成年者が事件に巻き込まれるケースも増えているという。
ほとんどの飲食店では、未成年者か否かの確認は店員に委ねられているのが現状で、不確かな判断も多く、繁忙時には確認漏れも見受けられるとのことだ。
今回の実証実験にあたりCiao Cameraは、高い精度・客観性を持つAIカメラの目によって、未成年者を漏れなく検出し、該当者へのアルコールの提供を未然に防ぐことを目指す。
- 第一段階:「AWS Rekognition Image」の活用/複数の顔画像で誤検知を防ぐ
- 第二段階:ディープラーニングによる独自識別エンジン構築。検知率 96.1%を実現
まず、第一段階では、「AWS Rekognition Image」の顔認識機能を最大限に活用して、素早くサービスを構築する。AIが画像に写っている人物の顔を識別し、推定年齢結果を返す。その結果で年齢が低いと推定されると、”要年齢確認”として通知を行う。
推定結果は、画質・顔の角度によっては、誤検知することもあるため、入店する数秒間の短い間に複数の顔画像を撮影し、それらの結果を総合的に判断することで、検知率90.7%の年齢推定を実現した。
そして、第二段階では、さらなる精度向上と通知に掛かる時間を短縮するため、要年齢確認者を判別する独自の識別エンジンを構築した。
未成年者の検知には、ディープラーニングによる画像判別技術を用いている。「AWS Rekognition Image」の判別結果を人手で精査した後、AIが学習。初期の判別器を作成する。
その後も、大量のデータをAIが学習し続けることで、継続的に精度を改善する。最終的には通知に要する時間も入店から即座に検知が可能な仕組みを構築、非常に素早い判別が可能になったという。
チャオは、今回の実証実験をもとに、年齢認証のさらなる精度向上を目指し、未成年者への飲酒防止対策に努めるのはもちろん、あらゆる業種においても、マーケティングデータとしての活用など、年齢認証を活用できるフィールドを広げたいとしている。
img:PR TIMES