最近、AI技術が進むことによって人間の職が失われていくといった予測が多い。

しかし、本来はAIの導入によって大幅な業務の効率化がはかることができ、新たなビジネスの形態が生み出されることも往々にしてある。昨今ではAIが歌詞を書いたり、囲碁の世界で話題になったりと、その分野はどんどん広がってきている。

今回、株式会社HERPは、AIリクルーティングプラットフォーム「HERP」のβ版を、2018年1月中旬より提供開始する。これは、求人媒体連動型ATSとして国内初のプロダクトとなる。

採用担当・採用アシスタントの事務作業の大部分を自動化

HERPは、ルーティンワークとして、採用担当・採用アシスタントが日々行なっている事務作業の大部分を自動化し、戦略的な採用活動にフォーカスできる仕組みを提供する。

求人媒体と自動で情報を連携するため、候補者情報の自動取得、候補者とのメッセージの一元管理、募集記事の一括投稿などが可能になり、多くの事務作業を自動化。

また、新着の応募情報などをSlackで通知することができるため、従来のツールよりもWeb系企業の業務フローに適したUXとなっており、これまで採用担当者が抱えてきた事務作業負担を大幅に軽減し、企業の採用効率向上へと導く。

β版は初期無料で提供予定となっている。

HERPには「Human Recruiting Platform」の頭文字と、企業の採用担当者に寄り添い、その手助け(=HELP)をしたいという思いを込めているという。今後は、候補者情報登録だけではなく、採用アシスタントの方々の業務を全方位的に自動化することを視野に入れているという

AIですべての業務を自動・一括化

HERPの機能の特徴は以下のとおり。

  1. 自動応募管理(HERP ATS)
    主要媒体からの応募をHERPに自動で登録。候補者情報の管理がHERP上で完結するため、従来の手入力作業は必要ない。新着の応募情報は、Slackで通知され、候補者画面内のチャット画面に遷移できるため、社内メンバーとのコミュニケーションへ移行しやすい設計となっている。無料版のGoogleスプレッドシートアドオンも同時に提供開始予定。
  2. コミュニケーション(HERP CHAT)
    複数媒体での応募者とのやりとりをHERP上で一括管理。これまで、各媒体からエントリーのあった候補者と、複数のタブを開いてコミュニケーションをしてきたが、1つの画面で候補者と連絡が取れるようになる。※現在開発中
  3. 求人票作成(HERP JOBS)
    求人票および、募集記事を複数の求人媒体に一括公開が可能。媒体のメンテナンスを効率的に漏れなく行うことができる。※現在開発中

すでに始まっているAIによるリクルート業務管理

実は、AIによるこのようなサービスはスマホではすでに開始されている。スマホでの求人情報の検索・閲覧を最適化する「Glit」がそれである。

Glitは就職/転職者が行うスマホでの求人情報の検索・閲覧を最適化するサービスだ。自分のプロフィールや学歴・経歴や趣味などを登録しておくと、AIが自動でその人に合った求人情報を毎日10件ずつレコメンドしてくれるというもの。通勤時間などの隙間時間から、就職/転職活動を始めることができるようになる。

膨れ上がるリクルート業務、効率的な採用活動の実現へ

日本には、数多くの求人媒体・採用関連ツールがあり、近年、企業1社あたりが利用する媒体・ツール数も増加傾向にある。

しかしその一方で、媒体・ツールが増加すると、複雑で共通化できない業務が膨れ上がってしまうという課題が出てくる。また、候補者情報など、多くの情報が分散していることから、採用担当が横断的にデータ分析することが非常に難しく、効率的な採用活動を実現するハードルが高くなる状況にある。

AIの進化については、冒頭でも述べたようにネガティブな予測もある。しかし、うまく活用することで我々の生活に多大なメリットをもたらすことは間違いない。

AIによってリクルート業務は今後、煩雑さや手間が減るといったことはもちろんだが、人間では見えていないマッチングポイントなどを見つけてくれるようになると、企業と求職者のミスマッチを今まで以上に解消できるような社会が実現するかもしれない。

img; PR TIMES