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パーソル総合研究所は、企業による大学生向けインターンシップの効果を明らかにする目的で、「企業インターンシップの効果検証調査」(※)を実施し、その結果を発表した。
近年インターンを実施する企業は増えているものの、パーソル総合研究所によればその効果検証は不十分とのこと。今回の調査では、企業側の目線でインターンの効果をはかり、インターンを実施すべき理由、どのようにインターンにとの組むべきかを調査した、と語っている。
主な調査結果は以下のようになった。
- インターン参加によって、実施企業への入社志望度が上がったと答えた参加者は60.9%
- インターン参加後に、同期や後輩などとインターンに関する情報交換を行った参加者は全体の86.0%、交換人数は平均41.3人。
- 入社後の3年離職率をみると、インターン参加者は34.1%、参加者は16.5%
- インターン参加者は、非参加者と比べ人事評価やジョブ・パフォーマンスの質が高い傾向
※調査概要
調査名称:パーソル総合研究所「企業インターンシップの効果検証調査」
調査手法:インターネット調査モニターを用いたインターネット定量調査
調査機関:2018年9月28日~10月3日
調査対象者:
(本調査条件)
大学・大学院・短大卒業後、1~3年目の無期雇用従業員 1998人
※うちインターンシップ参加者は1,307人
(スクリーニング調査)
大学・大学院・短大卒業後、新規学卒者として企業へ入社した者
(その後の定着は不問)10,750人
インターン参加者の6割が、その企業への入社志望度が上がったと回答
直近3年間におけるインターン参加経験者の割合は、企業に入社した新卒者のうち58.8%に上る。またインターン参加によって企業へ入社した者は20.8%、その会社でないものの同業界へ入社した者は16.9%だった。インターン参加後、その企業への入社希望度が上がったと答えた参加者は60.9%に及んだ。
またインターンの入社志望度が上がる最も大きな影響となったのは、17項目中「社員が優秀だと感じた」こと。3位には「現場社員との継続的な人脈が築けたこと」が入った。パーソル総合研究所はこの結果について、人を通じた魅力度の認知が最も学生の志望度を向上させていることが示唆されると述べている。
インターンシップのネガティブな印象について聞いたところ、全体の1位は「企業の表面的な情報しか得られなかった(44.2%)」ことだった。
インターンタイプ別では特別プロジェクト(PJT)系のインターン(新規事業の企画・提案や、学生主体のPJTの実行型)でその傾向が強く、企業・業界の座学での説明にとどまるインターンの参加者にも同様の傾向がみられた。
2位には「スキルや知識が身につかなかった」、3位には「社員との人脈を築けなかった」との回答が続いた。
参加者の8割が、同期などとインターンについての情報交換を実施
インターンシップ後に、参加者の86.0%が動機や後輩などと情報交換を実施したと回答。各参加者が情報交換した総人数の平均は41.3人に及んだ。パーソル総合研究所は、インターンシップでは、口コミによる周囲への高い情報の葉急行が見込まれると話している。
またインターン先に対する推薦度が高い層に注目すると、この層では平均55.8人が情報交換を行い、情報交換の相手のうち8.7人がその企業のインターンやエントリ-を実施していることも明らかになった。パーソル総合研究所ではこの結果から、肯定的な口コミには高い波及効果がみられると話している。
入社3年後の離職率、インターン非参加者は34.1%、参加者は16.5%
入社企業の3年離職率をみると、インターン参加者は16.5%だった一方、非参加者はその2倍以上となる34.1%におよんだ。インターン業界への入社者でみても、3年離職率は23.1%とやや低い結果となった。
また1年目の離職理由をみると、インターン参加者では「職場の人間関係」「精神的な不調、疾患」といった項目の割合が低い傾向がみられた。
インターン参加者は非参加者と比べ会社の人事評価が平均11ポイント高い
インターン参加者の入社後の人事評価は、ジョブ・パフォーマンスに関し非参加者が100とすると、参加者は3年平均が11%高くなった(1年目108.5%、2年目118.4%、3年目107.4%)。インターン参加業界への入社者も同様の傾向がみられるものの、統計的には有意な差とはいえない。
ちなみに性別・業界・大学レベル・学生時の成績、文系理系、入社後のサポートの程度といった項目を調整しても、入社後の就業継続以降や満足度、パフォーマンスなどに対するプラスの影響が確認された。
img:PR TIMES