国立大学法人岡山大学(所在地:岡山県岡山市、学長:槇野博史)、ストライプインターナショナル(本社:岡山県岡山市、代表取締役社長:石川康晴)は、岡山から未来創造に向けた新たな学びの場をとおして、新たなビジネスが創出されることを目指し、岡山大学内に『SiEED』(※)を2019年4月より開講することを発表した。

『SiEED』は、技術革新が加速する現代において、必要とされるEntrepreneurshipとIntrapreneurshipの双方の育成を目的として、さまざまな最新手法を導入した実践的プログラムだ。

また、岡山大学の表に出ていない研究成果や新技術を、SiEEDの学び、そこから派生する産学連携によって、製品化や市場投入をするという一連の流れを生み出すと同時に教職員の意識の変革を狙う“大学改革”の役割も担うという。

(※)SiEED:STRIPE intra & Entrepreneurship Empowerment and Development

起業家精神養成による人材創出を目指す「SiEED」

同プログラムは起業家精神をもとにこれから必要とされる新しい基礎概念を涵養する「基礎プログラム」とイノベーションに求められる専門知識と応用実践手法を習得する「応用プログラム」の二つで構成・提供されるようになっており、全体の概要は以下のとおりとなる。

  1. 起業家精神の会得

    起業を目的化するのではなく、不確実でイノベーションが加速する現代、あらゆる分野・場面で必須とされる、起業家が持つ Transferable Skills(異分野を結び柔軟な発想で考える新しい概念・手法)等の特徴的なマインドセットを涵養。
  2. 進化していくプログラム

    加速する技術革新と社会変化に合わせ、プログラムを学ぶ方法・内容も進化していく。そのため同プログラムでは、アクティブラーニングを補助するITツール等を積極的に導入しプロトタイプを作成し、ユーザーのフィードバックを基に検証・高速で改良するProof of Concept(PoC)やアジャイル型開発手法の体験、スタートアップやNPOでのインターン等を実施する
  3. 大学を超え、社会全体に開かれたオープンなプログラム

    オンライン・オフライン共にオープンな参加環境を提供し、コンテンツはインターネットで公開。受講対象者は岡山大学の学生だけではなく、教職員、他大学の学生や全国の中高生、行政や企業の社会人までオープンな形とする。

同プログラムでは、アクティブラーニング形態を基本とし、基礎知識等の講義は動画として収録、ネットでの視聴を可能とし、教室等のオフラインの場では、オンラインでは難しい協働体験(プロトタイプ作成など)、学外・企業等の多様な環境下での対話等の機会を設け、Transferable Skillsを深化させる狙いだ。

また、米国スクラムベンチャーズ パートナー・前エバーノートジャパン会長の外村仁氏をエグゼクティブアドバイザーに、アクセラレーター・プログラム500KOBEリエゾンオフィサーを務める山下哲也氏をディレクターに起用。また国内外の起業家・企業内イノベーター・研究者・エンジニア等を講師として招聘し、シリコンバレー等世界の先進事例を講義に取り入れるなど、これまでの日本の大学にはない、グローバルレベルのプログラムを目指すという。

岡山大学学長 槇野氏は以下のようにコメントしている。

「『SiEED』プログラムによって、世界を変えるイノベーションとなる「革新的起業と先端技術」を身に付け、岡山大学において既にある最先端の研究シーズ(Invention)を、イノベーション(Innovation)につなげていきます。

また、大学改革の核に国連の「SDGs(持続可能な開発目標)」達成に貢献する点を置いている岡山大学において、既存のルールや仕組みの変革を遂げることが急務となっています。

『SiEED』は、起業を行う人が出てくることもひとつですが、重要なことは起業をしなくとも、組織を変えていく精神(マインド)を持つ、矜持ある人材と組織が現在と未来に向けて生み出されていきます。また大学の私営が求められている現代において、学生だけではなく、教職員もこのプログラムをとおして精神を養って欲しいと思っています。

この『SiEED』のマインドをSDGsと融合させ、生まれて来るさまざまなアウトプットにご期待ください。」

またストライプインターナショナル代表取締役社長 石川氏は以下のようにコメントしている。

「起業して25年経ち、上場を目指すこの節目に、一番大切なのは「人を育てること」だと思い、起業家精神をもつ若者を育成する「SiEED」プログラムに取り組むことにいたしました。

10年、20年後の岡山県の企業が雇用を創出し続けるとは限らないと考えていて、一方で社会の新陳代謝を考えたときに、地域から国内や世界を変えていけるリーダーを創出していくことが必要です。

すなわち組織内もしくは社会を改革するアントレプレナー(起業家)、イントレプレナー(社内起業家)をローカルから輩出し、この人たちによって地域の社会や経済をスケールさせることがこれからの地域に必要なことだと思います。

この講座をとおして、世界レベルのプログラムを実現し、日本や海外のさまざまな人たちに刺激を与えることを目標に、プロジェクトを進めてまいります。」

岡山大学、ストライプインターナショナルは、同プロジェクトを通じ、グローバルで活躍できるアントレプレナーやイントレプレナー人材を育成することで、岡山から日本の活性化に取り組む方針を示している。