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ネットプロテクションズは「信用スコア」に対する意識調査を実施し、その結果を公表した。
「信用スコア」とは、個人が持つ様々な情報を収集し、それらの情報をAIが分析・点数化し、個人の社会的信用力を測るものである。メリットとしては、「信用スコア」に応じて、特別金利での融資提供や、転職や婚活サービスで希望が通りやすくなるなどがあげられる。
中国を始め、欧米などでも「信用スコア」の利用は普及しつつあり、実際にスコアリングサービスの提供もされている。日本においても大手企業が参入を表明し、注目が高まっている。
調査概要
- 調査名:「信用スコア」に対する意識調査
- 調査方法:当社独自のインターネット調査
- 調査期間:2018年9月26日~9月30日
- 調査対象:全国の男女720名(男女360人ずつ、15-19歳、20-29歳、30-39歳、40-49歳、50-59歳、60歳以上の区分ごとに120人ずつ)
※「ネットプロテクションズ調べ」
約20%が「信用スコア」を認知、男性は女性の2倍以上の認知度
「様々なデータを計算し、個人の持つ信用度や可能性を数値化した『信用スコア』という言葉を聞いたことがあるか?」という問いに対して、21%が「はい」と回答。全体では、15歳-29歳の若年層は28%が「はい」と回答しており、15歳-19歳と60歳以上では倍以上の開きがあった。また男女比較においても、男性の28%が「はい」と回答し、女性全体と比べると倍以上の開きがあった。
「信用スコア」を知ったきっかけは”ニュース”が過半数
Q1で「はい」と答えた人に対し、「信用スコア」を知ったきっかけを質問すると、「信用スコア」に関するニュースを目にしたことがきっかけとなった人が57%と圧倒的に多かった一方、実際に利用したことのある人は15%という結果となった。その他のきっかけとしては、「授業でならった」や「YOUTUBEで見た」などの回答があった。
「信用スコア」算出のために提供可能な情報として、年齢・職業は過半数が提供可能、「SNSなどでの交流関係」や「現在の資産状況」の提供は消極的
「信用スコア」を算出するうえで、提供可能な項目を質問したところ、「年齢(67%)」や「学歴(45%)」、「職業(52%)」が提供可能との回答が多い一方で、「」SNSでの交流関係(14%)」や「現在の資産状況(18%)」については提供可能と回答する人が少なく、消極的な傾向が見られた。その他では「個人情報は何も提供したくない」という声もあった。
年齢や学歴、職業は、これまで個人を説明する情報として社会的に提示する機会が多かったことから、開示に対して心理的ハードルが低いと考えられる。
対して、SNSなどでの交流関係の提供や現在の資産状況の開示に抵抗を示す人が多いのは、周囲の人間との関係性までも監視されていると感じたり、資産状況の開示により利便性を感じる機会が乏しく、むしろ不利益を被る可能性があるのではないかと懸念したりするためと考えられる。
「信用スコア」の活用に関して、全体では反対が多いが男性若年層は過半数が賛成
「信用スコア」の普及について、全体では「賛成」が36%と回答、年代別では15~19歳は58%が「賛成」と回答する一方で、60歳以上は20%と倍以上の差がみられた。男女別では、男性の39歳以下は「賛成」が過半数となり、女性はどの年代も「賛成」が半数に届かない結果となった。
賛成派は「信用スコア」が良い社会の実現に貢献すると期待
「信用スコア」普及について「賛成」と答えた理由を尋ねたところ、「真面目に生きている人が評価される社会になることは良いことだから(51%)」と最多、次いで、「高いスコアであれば様々な優遇を受けられそうだから(38%)」という結果に。
その他の回答としては、「今後の世の中は情報開示が求められる時代に変わっていくと思うから」や「当たり前のことを当たり前にできている人の評価が上がるから」などがみられた。
個人的なメリットよりも、社会全体に良い影響を与えることに「賛成」と答える人が過半数を超えていることから、「良い社会の実現」を特に期待している実態が分かる。
反対派は監視社会化に懸念
「信用スコア」の普及について「反対」する人の理由としては、過半数の回答は「個人情報を共有することに抵抗があるため(51%)」となり、次いで「監視されているようで気持ちが悪いため(47%)」が続いた。
その他の理由として、「スコアに応じてサービスが変わるのは不平等に感じるから」や「信用スコアのことを知らないから」などがあった。
このことから、欧州で施行されたGDPRに代表されるように、個人情報の提供可否や利用可否を個人が選択できるあり方が重視されると考えられる。
「信用スコア」へ期待することは「モラル向上や犯罪の減少」「学歴にとらわれない就職・転職」など
「信用スコア」に期待することは、「モラル向上や犯罪の減少(31%)」、「学歴にとらわれない就職・転職(31%)」、「特別価格にて商品購入やサービス利用、クーポン取得が可能(29%)」などに回答が多かった。
このことから、世の中の課題解決を望む声が多い一方で、クーポン取得などの短期的メリットへ期待する人も多いことが分かる。
自分の信用力を評価する理想の項目
「自分の信用力について、どのような項目で評価されるのが理想か」との問いに対して、以下のような回答が得られた。
- 毎月、国民年金をきちんと払っている
- 確定申告書での信用度
- 友人の評価
- 現在持つ資格やスキル
- 職場での評価や実績
- 趣味熱中度
- 人間性
- ライフワークバランス
- 生き方の理念
- 学歴や生まれ育ちなどは関係なく個人の個性をしっかりみて欲しい
など。
img:PR TIMES