Repro(リプロ)に所属するAI・機械学習の研究開発チーム「Repro AI Labs」は、集英社の協力のもとで、同社が提供するマンガ誌アプリ「少年ジャンプ+」でアプリユーザーの行動予測とマーケティングコストに関する実証実験を行った。
実験では、AIがアプリユーザーの行動を約90%の精度で予測し、マーケティングコストを約85%削減することに成功した。Reproではこの実験で使用したAI技術を近日ベータ版としてリリースする予定だ。
実験では以下の3項目が検証された。
- 実験1
AIでアプリから離脱しそうな傾向にあるユーザーを予測できるか - 実験2
その予測したユーザーを離脱させないことができるかどうか - 実験3
予測したユーザーを離脱させないために要したコストは、従来の方法と比較して低いか
各項目の結果は以下のとおり。
- 実験1結果
アプリから離脱しそうな傾向にあるユーザー群をAIが抽出し、その予測誤差を約10%に抑えられた。
- 実験2結果
実験1で離脱傾向があるとして抽出されたユーザー群に、アプリへの再訪を促す特典付きのプッシュ通知を配信した。結果、予測したユーザーのうち、再訪確率のより低いユーザーの再訪率が増加したことが確認できた。
このことから、再訪確率の低いユーザーに特典付きのプッシュ通知を配信することで、ユーザーの離脱を防げることが判明した。
- 実験3結果
実験2では、再訪確率が高いユーザーに特典付きのプッシュ通知を配信することで逆に再訪率を下げてしまうケースもあることが判明した。この結果をふまえ、AIを用いて再訪確率が一定以下のユーザーにだけ特典を付与した。
その特典が使用されたことでかかったコストは従来の方法でかかるコストと比べ85%削減できることが明らかとなった。
img:PR TIMES