一般の視聴者にも、それがドローンで空撮した映像だと認識できるほど、ドローン撮影は普及してきた。

ヘリコプターやクレーンを使わずに、身軽に、これまで難しかった場所や角度から撮影できるドローン。

最近では単なる空撮映像ではなく、そこにクリエイターの力が加わった新しい映像表現が登場し始めた。

ドローンを使った空撮サービス「Fly Candee」


#FLYCANDEE_PV

Candeeが、ドローンを使った空撮サービス「Fly Candee(フライキャンディ)」を開始した。

Fly Candeeは、クリエイティブ力のあるインスタグラマーやプロの映像クリエイターによるドローン撮影サービス。世界各国の観光地PR動画、プロモーション動画、ミュージックビデオ撮影など、ドローンを活用した動画制作の強化を図るという。

モバイル動画を軸にメディア事業、動画マーケティング支援事業、タレントマネジメント事業を展開している同社では、3事業の垂直統合による「ソーシャルビデオ革命」を目指している。

Fly Candeeでも、動画マーケティング支援事業として機材やパイロットを手配するだけではなく、インスタグラマーやモデルがドローンパイロットとなるところが特徴的だ。映像内にモデルとして出演することも可能だという。

たとえば地元の観光地をPRする場合は、旅系インスタグラマーと撮影チームが現地で旅の見どころ映像を制作する。ドローンパイロットとなるインスタグラマーが出演することはもちろん、ドローンの飛行許可や承認なども含めて、ワンストップで提供する。

ドローンでの空撮という、それだけでもいつもと違った目線で描かれる映像に、エンターテインメント性やクリエイティビティがサービスとして加わることで、我々が目にするプロモーション動画などの映像表現にも新たな驚きを与えてくれることだろう。

「クリエイティブドローン」の世界


2D RUN – MMP 3 (Mixed Motion Project)

日本でもFly Candeeなどによってどのような映像が届くのか楽しみなところだが、世界を見渡すとすでにクリエイティブな作品が登場してきている。

たとえば、ドローン空撮でゲームのような平面世界をつくりだす『2D RUN−MMP3』。

作者はブルガリアのフリーランナー、イルコ・イリエフさん。フリーランニングの達人であるイリエフさんが、ドローンで自身がフリーランニングする姿を真上から空撮し、2次元世界を進むキャラクターを表現したものだ。

まるで忍者のようにさまざまなステージを進みクリアしていく様はまるで昔の2次元ゲーム。新しさと懐かしさの共存する楽しい作品だ。

制作費としてかかったのはドローン代くらい。アイデア次第で、低コストでここまで斬新な映像をつくれることを示している。


世界最小HDドローンで撮影した作品『Muscle-UP』

映像スペシャリストのロバート・マッキントッシュさんの作品も、独特のスタイルで人気を集めている。

ドローンで撮影した映像を逆再生するだけのシンプルなものなのだが、マッキントッシュさん自作の世界最小HDドローンを使用していることもあり、これまでみたことのない斬新な映像に仕上がっている。

これらの作品はアイデアが素晴らしいものであるが、ドローン空撮の技術進化も目覚ましい。VR市場が拡大しているなかで、ドローンによる360度空撮に向けて小型で高性能な機種が続々登場している。

今後、360度空撮による斬新な作品が増えてくるだろう。

クリエイターがビジネスシーンに与える影響

ドローンによるクリエイティブな作品は、2015年から毎年開催されているニューヨークシティ・ドローン・フィルムフェスティバル(NYCDFF)でも多く出展されている。紹介した作品は、(NYCDFF)で受賞している。

こうしたアーティスティックな作品やクリエイターが、サービスやコンテストの文脈でビジネスとつながっていくことで、さらに新しい表現や技術が生まれてくることを期待したい。

img:PR TIMES , FLYCANDEE