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AIやIoTの浸透にともない、それらを開発、管理する情報(information)や通信(communication)に関する技術であるICT業界の重要性が増している。
しかしこの業界では、ソフトウェア技術者の不足、一からスクラッチで作るという古来からの風習、問題解決のための精度の高い情報の不足などの原因により、開発コストや開発期間が膨れ上がってしまっているのが現状だ。
そこで、すでに開発された価値あるソースコードを商品としてシェアリングすることで、コストと時間を大幅に削減する試みが登場した。
ONE ACTが開発運営を行っているソースコード取引所「piece(ピース)」にAIが搭載された。常に最適価格でソースコードが売買できるシステムである。
ICTにおけるコストパフォーマンスの大幅な改善が実現し、エンジニアにとってよりバリューの高いソフトウェア開発への集中が可能になったという。
価値あるソースコードを売買可能
「piece」はソースコード取引のためのWEBプラットフォームだ。ONE ACTが独自開発をしたシステムで、価値あるソースコードを世界中のソフトウェア開発者が販売、または購入することを可能にした。
スクリプト、アルゴリズム、プラグイン、テンプレート、アプリケーションなどのソースコードをあらゆるプログラミング言語で、部品単位で売買することができる。
購入したソースコードはそのまま、もしくは改変してエンジニア自身や企業のサービスシステムやソフトウェア開発に使用可能だ。
世界中のソフトウェア開発者が「piece」を通してソースコードをシェアリングしていくことはコストの大幅な削減だけでなく、サービス開発のハードルを下げることにつながる。
同社によると、すでに世界200カ国以上からアクセスがあるという。利用料は無料で、ソースコードの購入にのみ料金が発生する。1ソースコードあたり1米ドルからの設定であるため、容易に購入して使用することができるとしている。
価値あるソースコードを売買可能
ここで、取引所やAI搭載によるメリットをみてみる。
現在ソフトウェア以外のあらゆる分野で部品の取引が盛んに行われているが、ソフトウェア開発はまだそこにはない。これからソースコード売買の有益性が認知されることで、ソースコード取引所は非常に大きな市場になっていく。
また取引価格の決定や利益の最大化には、本来ソフトウェアのコスト見積もりの高度な知識が必要であり、リアルタイムの需要と供給を調査する必要もある。
しかし「piece」ではAIで設計されたアルゴリズムがそれを担ってくれるため、利用者は労することなく最適な価格と最大の利益を得ることができるという。
また、もちろん購入者のメリットもある。
購入した質の高いソースコードはすぐに自社のサービスに組み込むことができるため、コードを書く時間、インターネットで調べる時間、熟練者に依頼する時間、テストする時間が削減される。
また、自社内に持っていない優れた技術を購入して、それを核としたサービスを開発していくことが可能だ。
販売者のメリットもある。
従来のソフトウェア開発では新規開発したソースコードをライセンスごと納品する1対1の収益が中心だった。
しかし「piece」を利用することで、開発したソースコードのライセンスを持ったままで購入されるたびに報酬が得られるという。つまり1対Nの拡がりのある収益を生むことができるのだ。
また、社内に蓄積されたソースコードやブログやQAサイトなどで公開していたソースコードを取引所で販売することでリユースすることができ、新たな収益を生むことができるとしている。
技術者にとっては夢のサービス
ソースコードが簡単に取引できる。技術者やエンジニアにとってはまるで夢のようなサービスだろう。
これまで、ソフトウェア開発の最大のハードルは、人件費の高騰による開発のコストであった。また、開発する技術者やエンジニアの健康問題も大きい。
同社は今後、まずは利用者の拡大、取引量の拡大を目指すという。機能面ではさらなるAI機能の拡充と多言語化対応、メディア機能の改善を予定しているという。
このサービスがICT業界にどんな新風を巻き起こすか、期待したい。
img:PR TIMES