昨今、あらゆる分野においてドローンの利活用が急ピッチで進んでいる。

しかし、実は無許可に他人の土地上空でドローンを飛ばすことは民法上からすると、権利侵害になりかねないという問題がある。

このため、現状では全国のドローンユーザは土地所有者の許諾を得ることが空域利用における最初の課題となっている。

そこで、ドローンを使った空撮、測量、点検事業を展開しているトルビズオンは「世界の空のプラットフォームになる」というビジョンを掲げる新サービス「sora:share」に、空中権取引が可能なマーケット機能を実装し、再リリースした。

登録された土地を選び飛行する権利を得るサービス

このサービスでは、土地所有者はsora:share上で土地の情報を登録、空域利用者は登録された土地を選び、飛行する権利を得ることができる。その対価として、利用者は使用料を支払うという仕組みだ。

利用者としての課金モデルは以下のような2つが用意されている。

  1. Unlimited
    月額課金モデル
  2. One-time
    都度払いモデル

定額制は主に郊外でのローリスクな場所を、都度払いは都心部でのハイリスクな場所を予定しており、企業や自治体などと協力して土地を確保するという。

また、土地登録の際、土地所有者は自分の空に名前をつけることができるのも特徴だ。具体的には空の「緯度・経度・高度」の組み合わせに対して、固有の名前「スカイドメイン」を与えられるという。

スカイドメインは、上の図のようにインターネットのドメインと似ている。

このようなドメインを設定することで、複雑な空の形を名前で判別できるようになるとともに、今後のドローンの自動航行にも活用できるというのが同社が提示するメリットだ。

現在sora:shareはβ版にてテストユーザーの利用者を募集している。

テスト期間中、土地所有者はスカイドメインの登録料、またドローンユーザはsora:share Unlimitedの利用料が無料となっている。

飛行の可否確認をスマホアプリでチェックするサービスも

ドローンの飛行確認ができるサービスとしては、ドローン飛行の可否確認をスマホアプリでチェックするというものもある。

ドローンビジネス専門オンラインプラットフォーム「drone market」を運営するdoが展開しているスマホアプリ「ドローン飛行チェックアプリ」は、ドローンを飛行させたい空域が、航空法で定められている無人航空機の飛行許可が必要となる空域かどうかをチェックできるというサービスだ。

このサービスには、

  • 飛行させたい場所の空域を調べるアシスト機能
  • 現在時刻と位置情報から日中または日没の時間を割り出し、飛行可能時間帯かどうかがわかる機能

という2つの機能が搭載されている。

このサービスを利用すれば、ドローン飛行につきものの航空法を毎回チェックしなくとも、手軽にドローンが飛ばせるようになるのだ。

ドローンユーザ、土地所有者のWinWinの関係構築

この権利侵害という問題がハードルとなり、日本では現状ドローンを手軽に飛ばすことができない。このため、ドローンの利活用に躊躇するドローンビジネスや企業が多く存在するのも事実だ。

今回の「sora:share」新バージョンは、このハードルを払拭するものといえる。ドローンユーザ、土地所有者お互いにメリットをもたらすことでWinWinの関係を構築するツールといえる。

今後もこのようなサービスが続き、ドローンビジネス参入のハードルは低くなっていくだろう。

img:Dream News