インターネットやテクノロジーの進化により、チケットの売買は大きく変わった。購入はスマホからネットをとおして簡単に行え、不要になったチケットの処理もオークションなどで簡単にできるようになった。

しかし、問題がないわけではない。一般社団法人コンサートプロモーターズ協会(ACPC)「ライブ市場調査」によると、ライブ市場では、公演数、入場者数、売上数ともに年々増加傾向にあり、市場の盛り上がりとあわせて、チケット流通における不正転売や買い占めといった問題の解決が急務となっているという。

この問題に対し、LINEが立ち上がった。LINE TICKETは、同社が運営する次世代の電子チケットサービス「LINEチケット」をオープンしたと発表した。

LINEから手軽に検索・購入・発券できるサービス

「LINEチケット」は、音楽ライブやコンサート、スポーツなどさまざまなジャンルのチケットを、LINEから手軽に検索・購入・発券できる電子チケットサービスだ。

購入したチケットは「LINE」で送られてくるので、コンビニエンスストアなど、店舗での購入手続きは不要となっており、当日の入場まで「LINE」ひとつで完結することができる。

また、取り扱いチケットは100%電子チケットとなっており、「急用が入ってしまった」「体調が悪くなってしまった」などの理由で行けなくなってしまったライブやイベントのチケットを安全に販売・購入できる「公式リセール機能(二次販売)」も展開する。

LINE TICKETは、取り扱いチケットを100%電子チケット化し、エンターテインメント業界全体を活性化させていくことを目指し、2017年9月1日に設立した。

従来のチケット販売サイトとは異なり、今まで分断されていた「イベント前」「イベント当日」「イベント後」といったそれぞれのタッチポイントをLINEプラットフォームを活用することで一貫し、LINE公式アカウントや「LINE MUSIC」「LINE LIVE」といった各サービスと連携する。

2018年内は、[ALEXANDROS](2019年アリーナツアー)などの音楽公演やブロードウェイミュージカル「キンキーブーツ」などの演劇・ミュージカルなど約300公演のチケットを取り揃え、なかには「LINEチケット」でしか購入できない限定チケットや先行チケットも販売するという。

さらに、2019年より、プロ野球「北海道日本ハムファイターズ」やJリーグ「FC東京」などスポーツチケットも順次販売し、今後も段階的に取り扱いチケットを拡充していく予定だ。

チケットを発券する手間や配送料から解放


【公式】LINEチケット:LINEが電子チケットに。(15sec ver.)

LINEチケットの特徴は、以下のとおり。

  • 取り扱いチケットは、100%電子チケット

    「LINE チケット」で取り扱うチケットはすべてが電子チケット。「LINE」上からチケットの検索・購入・発券が可能となっており、当日の入場までがLINEひとつで完結する。

    これまでのチケットを発券する手間や配送料から解放され、チケット紛失を心配する必要もない。決済は、クレジットカード決済、コンビニ決済、LINE Pay決済に対応している。

    購入したチケットは、友だちとシェアすることもでき、イベント当日はスマホに送られた電子チケットをみせるだけで入場が可能なプラットフォームとなっている。
  • 行けなくなってしまったチケットは、「公式リセール機能(二次販売)」で販売可能

    チケットを購入した後、ライブやイベントへ行けなくなってしまった場合も「公式リセール機能」を活用してリセールすることができる。

    リセールの可否、リセール設定価格は興行主側がチケットごとに事前に決めており、悪質な高額チケットの販売や大量購入を防止し、イベントに行けなくなってしまったユーザーと興行主の両者に適切かつ安全なプラットフォームを提供する。
  • LINEやLINEの各サービスと連携し、ユーザーにとって最適なイベント情報を提案

    LINE公式アカウントや「LINE MUSIC」「LINE LIVE」といった各サービスと連携し、ユーザー自らが探しにいかなくとも、ユーザー属性や興味関心データなどに基づいて、“当日券があるオススメの公演”情報を配信するなど、パーソナライズされた情報を発信できるようになる。

今後、追加されていく予定の機能は以下のとおり。

  • LINE MUSICとの連携(2018年11月末~)
  • スポーツチケットの取り扱いに伴う機能拡充(2019年2月~)
  • LINE公式アカウントとの連携と来場者セグメントによるメッセージ配信(2019年3月)
  • サイトの英語対応およびインバウンド購入の対応(2019年内予定)
  • 座席指定購入(2019年内予定)

エンタメ鑑賞の在り方をLINEが大きく変える

筆者は熱狂的なロックファンである。このため、これまで、数多くの音楽ライブを観てきたが、かつてのチケット入手は非常に手間がかかったものだ。

まず、人気アーティストの場合、発売と同時に電話をかけて申し込まないと手に入らない。ところが、何度も電話をかけてもつながらない。そして、不要になったチケットは必要としている友人、知人を探し回って売るか、直接会場でダフ屋に売るしかなかった。

しかし、時代は大きく変わった。今回のLINEのサービスではスマホ1台あればチケット購入からリセールまでボタン一つで簡単に行える。2019年からは、野球・サッカーなどスポーツチケットも取り扱い開始するということで、今後、あらゆるエンタメ鑑賞までの導線の在り方は大きく変わることだろう。

img:PR TIMES