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企業にとって「ブランド力」はその企業の生き残りを左右するほど大きな存在だ。たとえば、メーカーであれば消費者は、その商品に対してではなく、その企業のブランドに対して金銭を払うといった傾向が強い。
これまでは、顧客はどんな商品を求めているか、どうしたら売れるかをマーケティングの手法を用いて分析し、市場における競争戦略を考える時代であった。
しかし、これからの社会的価値創造の競争の時代においては、顧客はどのような社会的課題の解決方法に関心があり、どんな未来社会を夢みているかについても考えなければならない状況となっている。
今回、企業経営コンサルティング業務を包括的にサポートするサステナブル・イノベーションズは、“「本当にやりたいこと」を「未来社会の価値創造」に結実させる”というコンセプトのもと、『社会的価値創造の競争時代に企業ブランド力を強化する新サービス』として「SONOSAKI PLANNING(TM)3.0」をリリースした。
「本当にやりたいこと」の社会的価値を明確にするサービス
まず、同社によると、企業が社会的価値創造の競争に勝ち残っていくために乗り越えなければならない課題として以下の2つを挙げている。
- 企業の社会に対する思いの社会的価値を明確にすること
これまでのマーケティングの考え方では、市場を細分化し標的市場を決めて商品をポジショニングしてきたが、同様に「社会に対する思い」のなかに「社会的価値」を見出していくためには、「社会に対する思い」を深掘りして明確なものとして描き出さなければならない。 - 未来社会に向けた価値創造を構想すること
マーケットインの発想は顧客の視点で考えることから始まるという。
未来社会に向けた社会的価値の創造を目指していくためには、実現されていく「未来社会」に視座した「多様化する社会にあって創造すべき社会的価値」の視点からものごとを考えなければならない。
「SONOSAKI PLANNING(TM)3.0」は、この2つの課題を解決するために2つのサービスを提供する。
- 「本当にやりたいこと」の社会的価値を明確にする
現実のビジネス(Real world)と思い(world of Mind)をさまざまな視点(View)から分析する。今のビジネスだけでなく、自分自身の生き方、社会のありようへと視野を広げて深掘りしていくという。
これは、これまでのマーケティングの考え方における細分化と標的市場の選択に相当する。 - 「未来社会の価値創造」を構想する
「本当にやりたいこと」の社会的価値を「未来社会の価値創造」として、社会の趨勢や技術革新の動向のなかに位置づけていきます。
これは、これまでのマーケティングの考え方におけるポジショニングに相当する。
「本当にやりたいこと」を明確化し共通認識化
このサービス特徴は、個々人の構想力や創造力、想像力(想像しうる範囲)という3つの思考の壁をブレークスルーするというもの。
同社は「誰もが心ときめかせて未来社会を語っている」ようになることを目指しているという。
そして、将来、人工知能が人間の仕事を奪うともいわれているが、構想力や創造力を発揮できる思考の仕掛けをつくることによって、人間と人工知能が共生し協創していけるようになると期待されるという。
サービス導入によるメリットは以下のとおり。
- このサービスにより、「本当にやりたいこと」を明確化し共通認識化することができる。
- 「市場性と収益性のあるビジネス」としていくことができると期待できる。
- 「未来社会」に視座した視点から「未来社会の持続可能な発展」のストーリーを描いていくため、「企業が未来においても持続可能な成長」を目指していくことができる。
「本当にやりたいこと」を実現するツールの数々
そして、このコンセプトに基づいて「本当にやりたいこと」を「未来社会の価値創造」に結実させていく思考過程を以下のツールによって実現していく。
- Real-View-Mind Analysis「本当にやりたいこと」の分析
自分の「本当にやりたいこと」が現実の仕事になっているのかギャップ分析を行う。もし、そこにギャップがあれば、問題として認識され解決すべき課題がみえてくるという。
また、未来社会に視座した価値創造の視点から思考することで、目的思考で課題を捉えることができるようになるという。 - Innovation Transformingイノベーションの観点マップ
未来社会に向けて価値を創造していくためのイノベーションの過程と道筋を描いたマップ。このマップには108個の観点が示されているという。 - Innovation Transforming Business Knowledge Network(知識ベース)
この知識ベースには、イノベーションの108個の観点について、社会の趨勢や技術革新の動向に基づいて、下記内容が示されている。 - 論点
- 認識すべき課題(時代背景、社会問題と背景要因)
- 未来社会における社会的価値の創造
この知識ベースを参照することにより、未来社会の価値を創造していく上で考えなければならないことのヒントを得ることができるという。
- Innovation Transforming 思いから創造する未来社会の価値への変換
これは、「本当にやりたいこと」に込められた思いを「創造すべき未来社会の価値」に変換していくツール。
Business Knowledge Network(知識ベース)を参考にしながらReal-View-Mind Analysisで導き出した「本当にやりたいこと」の社会的価値を深掘りしながらイノベーションの108個の観点に位置づけていく。 - Innovation Transforming 未来社会の価値創造プロセスのデザイン
イノベーションの108個の観点は相互に因果関係性とその影響の強さの度合いによって社会的価値ネットワークとして結び付けられている。
イノベーションの108個の観点に位置づけられた「本当にやりたいこと」を深掘りした社会的価値は社会的価値ネットワークによって「未来社会の価値創造プロセス」に置き換えられていく。 - Innovation Transforming イノベーションへのストーリー作成支援アプリ
このアプリは、社会的価値ネットワークによって「未来社会の価値創造プロセス」に置き換えられた「本当にやりたいこと」をストーリーとして記述していくツールだ。
企業が勝ち残るための成功モデル構築への足掛かりに
同社のいうとおり、たしかに、「本当にやりたいこと」と「市場性と収益性のあるビジネス」には大きな壁があると思う。それを明確化し共通認識化しようというのが今回のサービスだ。
多くの企業は社会に対する思いをビジョンとして掲げている。しかし、多くの企業は、目の前の業務に対応することばかりに思考が集中しがちであるのが現状だろう。
今後の社会で、企業が競争に勝ち残り、社会の関心を集め、企業のブランド価値も高めるための成功モデル構築への足掛かりとなることを期待したい。
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