写真を保存する際にUSBやHDDに保存するよりも、クラウドに保管することも増えてきた。もちろん個人間だけではなく、企業でも重要な書類などもクラウド上に保存するという考え方が浸透してきている。
しかし、クラウド上に保存すると心配になるのはサイバー犯罪だ。万が一データが盗まれでもした場合には目も当てられない。そんなクラウドセキュリティに関して、他国ではどのような意識を持っているのか調査レポートが発表された。
オラクルとKPMG、クラウドセキュリティに関する意識調査を実施
KPMGコンサルティング株式会社と日本オラクル株式会社は共同で実施したクラウドセキュリティに関しての意識調査のレポートを発表した。
このレポートは米国、カナダ、英国、オーストラリア、シンガポールの5カ国のサイバーセキュリティおよびIT専門家450人を対象に、クラウド利用におけるセキュリティの現状について調査したものだ。
調査によると90%以上の回答者はクラウド上に保管しているデータの半数以上は重要なデータであることが判明した。またセキュリティに関しても83%は自社のオンプレミス環境と同等、あるいはより安全であると考えていることが明らかになり、多くの企業はクラウド環境のセキュリティを信頼していることが判明した。
また今回の調査では60%がデータの4分の1はクラウドに保存していると回答。それに伴い38%の回答者がサイバーセキュリティの課題として、クラウド上のアクシデントの早期検出・対処を課題に挙げた。
また、31%が自社にセキュリティアーキテクトを設置しているとする一方、41%がクラウド・セキュリティアーキテクトを設置しているとし、84%の企業が高度な攻撃者から効果的に防御するために、より多くの自動化を活用するとコミットするなど、企業のクラウドセキュリティに対する意識の高さが伺える。
一方日本では、KPMGコンサルティングが昨年国内の大手企業を対象に実施した企業のサイバーセキュリティに関する実態調査「サイバーセキュリティサーベイ 2017」の発表によると、47%の企業がセキュリティにおいて必要な人材が確保されていないことが判明。
またセキュリティの実務担当者がいないと回答した企業は64%と回答し、日本においても海外のようにクラウドを含めたセキュリティの専門家の育成・配置が急務となってくることだろう。
セキュリティ管理は再優先事項。早期の専門家の育成・雇用が急務に
今回の調査で60%もの専門家がクラウドにデータを4分の1以上アップロードしていることがわかった。この数値は今後も順調に伸びていくが、その反面サイバー犯罪への懸念も比例して伸びていくはずだ。
クラウド上にある以上、ハッキングされてデータを盗まれるリスクは常にあると考えてもいいだろう。海外でクラウドデータを盗むのが難しい場合、日本に狙いを定めてくるといったことも考えられる。
そうでなくてもクラウドにデータを預けることが多くなっていることから、セキュリティも従来のものだけではなく、クラウドも含めた総合的なセキュリティ対策が急務になってくるだろう。
img:@Press