日本におけるビジネスマンの睡眠不足は深刻だ。厚生労働省の『過労死等防止対策白書』によると、フルタイムで働く正社員の4割以上が、睡眠時間が「足りていない」「どちらかと言えば足りていない」と答えたという。

OECDが行った先進国29カ国の睡眠時間は韓国に次いで2番目に短い。電車内で寝ているビジネスマン・学生も珍しくなく、幅広い年代で睡眠不足が常態化している。睡眠不足が常態化している状態では集中力は低下し、仕事も長引き働き方改革からまた遠ざかる。

そのような現状を打破するために仮眠を積極的に導入しようとする動きが始まり、仮眠の効果の実証実験が行われた。

仮眠導入で日中の集中力向上と眠気軽減を計測

テクノロジーを使い、睡眠不足の問題を解決するSleepTech(スリープテック)事業を展開している株式会社ニューロスペースは、三菱地所株式会社と共同で仮眠室を使用した従業員の生産性向上の実証実験を実施した。

実験前に取ったアンケートでは90%以上が眠気による集中力・作業効率の低下を実感。また、対策として仮眠をしている被験者は25%であった。

1ヶ月間仮眠を取得した時期と取得しない時期に分け、集中力を含めた生産性向上に効果があるか検証を実施した。

その結果として仮眠により日中の眠気を軽減に成功。また、集中力を含めた生産性の向上も客観的・主観的データ共に向上していることが明らかになった。

具体的にJINS MEMEを使用した集中力スコア計測では5ポイントの向上。主観的な集中度では8ポイントの向上が見られた。主観的な眠気の解消は58%が仮眠による改善を実感。

仮眠によって生産性への影響を実感したのは66.7%と高く、今後も継続的に仮眠を取りたいと感じた被験者は81.8%にのぼり、継続性と生産性向上への兆しが見えた。

睡眠研究の最先端「コーヒーナップ」は生産性向上に役立つのか?

このような仮眠研究だが、現在ではさらに仮眠の効果を最大化できるような研究・サービスが登場し始めた。アメリカでは20年以上前から睡眠に対して研究がなされていたが、近年再び“昼寝”への注目が集まり始めた。

昼寝が脳機能に良い効果を与えることが再認識されるようになり、Googleを始めとした米国企業は昼寝の導入をしており、これらのパフォーマンス向上を目的とした昼寝はパワーナップと呼ばれており、大手企業は軒並み採用をしている。

最先端のパワーナップは「コーヒーナップ」と呼ばれており、従来のコーヒーと睡眠は相性が悪いというイメージを覆す結果となっている。実際に米国の研究では入眠前にコーヒーを摂取してから15分の睡眠をすると眠気も収まる研究結果も報告されている。

このように進化し続ける睡眠研究であるが、日本でも最先端の睡眠サービスが展開を始めている。ネスレ日本と全日本ベッド工業会の共催で期間限定ではあるが睡眠カフェがオープンした。実際に最先端の研究であるコーヒーナップを体験できるサービスである。

毎回好評のため、今後も各地で開催が検討されている。カフェイン抜きコーヒーと3時間のベッドでの睡眠の「ぐっすりコース」カフェイン入りのコーヒーを飲んでから20分の仮眠を取る「お昼寝コース」の2種類を展開しており、その他にも快眠を手助けするガジェットが揃っている。

常に睡眠不足な日本のビジネスマン、今後世界と戦う上で求められるものとは?

日本で働くビジネスマンは睡眠が足りていないケースが多く、睡眠不足問題は深刻なレベルまで来ている。十分な生産性を得るためには睡眠は必須な課題と言ってもいいだろう。今後世界を股にかけてビジネスを行うには睡眠が鍵になる。

生産性向上と働き方改革を同時に達成するためにも、睡眠不足解消の足がかりとして企業はコーヒーナップを始めとした生産性向上のために仮眠を導入することが求められており、それが結果的に今以上の生産性向上の手助けになるだろう。

img:PR TIMES